菩薩

ドラゴンボール超 スーパーヒーローの菩薩のレビュー・感想・評価

3.4
前作ブロリーをこれはドラゴンボールでは無いと断言した私がわざわざこれを観に行くのは自ら地雷を踏みに行く様で少しばかり躊躇したが、それでも一応ドラゴンボールと名を冠されるものを前にしてはワクワクしてしまうと言うのが地球育ちの地球人の性である。結果として悪くなかった…いや結構良かった…?とかなり曖昧な感触を得て劇場を後にしたが、少なくともブロリー鑑賞時に抱いた怒りや憤りの様なものはまるで無かった。勿論前提としてドラゴンボールとドラゴンボール超とはまるで別物であるとの認識は今も持っているし、声優陣の加齢による声の張りの無さには予め目を瞑るつもりで鑑賞したわけだが、ブロリーよりも明らかに話の筋が通っているし、ブロリーのそこそこのヒットを受けてちょっと予算増えた…?と感じるくらいにはトランクスの作画以外は全体的に手抜かりの無い東映アニメーションの底力を感じた。ピッコロさんが長らく糠床に放置されたきゅうりの古漬けみたいな色になっているのは何故だ…と不安を抱いていたがまさかのイクメン&お喋りクソ野郎にキャラ変していたし、相変わらずチートでしか戦闘力を上げられないしょっぱさにはずっちーなとしか思えなかったが、ようやくスーパーナメック星人ことスラッグさんと同等の力量を得られ、ナッパ戦以来最大の見せ場を迎えられた事を嬉しく思う。悟空とベジータが相変わらずイチャコラしているせいで急遽地球を守る羽目になった悟飯に関しては、えっ…そこでそれになんの…?とピッコロさん以上のチートに愕然としたし、そこは魔閃光だと思うしそっちならピッコロさんごと貫いてラディッツ戦の再現をして欲しかったのが正直なところであるが、最大の敵が奴である為におめぇの出番だぞ!悟飯!になるのは自然な流れか。そもそも悟空とベジータを表舞台に出さない為の理由付けがまるまるいらない様にも思えたが、流石にその2人が出ないと言うのも若干寂しいか…。一番の不満点を挙げれば勿論「ヤムチャはどうした」以外には無いのだが、彼の本業は野球選手であるから致し方ない。と言うわけで本当に「悪くはない…」なんて曖昧な評価以上のものは付けられないが、推しが悟飯ないしピッコロさんである場合は観に行っても損はない様に思う。陰謀論時代のアメコミとシン・ゴジラを通過した先のドラゴンボール超、パンちゃんは圧倒的に正義。
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