《ワン•ダイレクション》のハリー•スタイルズがゲイ役を演じているのも見所ではあるけど、それだけではない、40年の時の重みがズシーンと響く深みがあり心揺さぶられる良作だった。
同性愛が禁じられていた1950年代の英国が舞台の大人気ロマン小説『マイ•ポリスマン』(ベサン•ロバーツ著)が原作。
脚本、監督、プロデューサーがゲイとのことで本格派の作品を堪能しました。
1950年代のブライトン。警察官のトム(ハリー•スタイルズ)は教師のマリオン(エマ•コリン)との恋が順調に進んでいた頃、街に越してきたばかりの美術館キュレーターのパトリック(デヴィッド•ドーソン)と深い関係が同時に始まるのだった...
冒頭、初老の夫婦(トムとマリオン)宅の一室に施設から引越してきた半身不随の男(パトリック)を映し出す。
そこから過去の映像に切り替わり、観ている者がなぜこうなったかをゆっくりと紐解きながら説明を受けるような感じ。
トム(ライナス•ローチ)は警官としてゲイと分かれば終わりということを常に抱えて生きていた。
マリオン(ジーナ•マッキー)は結婚して直ぐに2人の関係を知ってしまうが、トムを愛していたので離婚しないで心が満たされないまま40年の時を過ごしていた。
パトリック(ルパート•エヴェレット)はマリオンに嫉妬していた時、ある密告を受けた警察から逮捕される。刑務所にも入り、病気になって今がある。
三人三様の気持ちが伝わって来ます、重いです。
しかし40年の間に世の中が変化したと見せるところは、ブライトンという街が英国のLGBTQの首都とも言われる街だからこそであり、90年代になり街中をゲイが仲良く闊歩するシーンを対象的に描いています。だからこそ辛い。
ハリー•スタイルズのゲイ演技は自然で良かったし、あの『アナザー•カントリー』のゲイ俳優ルパート•エヴェレットは言われないと気付かない姿で出ていますが存在感は健在でした。
女性としてマリオンの気持ちに同情しました。女優2人が似ている雰囲気で違和感がなく迫るものがあり、ラストの驚き含めて沁みました。
どの人の気持ちも理解出来るからこそ切なかった。6人の演者それぞれに拍手。
⭐️Shirorin、良かったありがとう💕