great兄やん

復讐者たちのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

復讐者たち(2020年製作の映画)
3.7
【一言で言うと】
「理由なき仕者の“反撃”」

[あらすじ]
1945年、敗戦直後のドイツ。ナチスによるホロコーストを生き延びたものの、収容所で散り散りになった妻子をナチスに殺害されたユダヤ人男性のマックス。絶望のどん底に突き落とされ、激しい復讐心を抱くようになった彼は、ひそかにナチスの残党を私刑として殺害しているユダヤ旅団と行動を共にする...。

『アウシュヴィッツ・レポート』のハシゴとして鑑賞。

「アウシュヴィッツ…」ではホロコーストの真っ最中を描いた作品でしたが、今作はホロコースト“後”を描いたお話。
世の中にはナチスやホロコーストを題材に描いた作品は数多とあれど、こういったユダヤ人がナチスに復讐を企てるといった作品はあんまり観たことが無かったのでかなり興味をそそられましたね🤔

とにかく終戦後にこんなユダヤ人のナチス残党狩りが行われていたことにも初耳でしたし、ナチス残党には収まらずドイツ国民すらも虐殺しようとしてた事実があるってのも凄く驚愕でした(゚o゚;;

ドイツ国内に流れる水道に毒を流し込む作戦、通称“プランA”...実際にこれが実行されていたとなると、きっと歴史の教科書の1ページに載ることになったのでしょう(・・;)…

そんな状況下で復讐心はあるものの、関係のない人も巻き込んでしまう罪悪感と葛藤する主人公マックスを名優アウグスト・ディールが見事に演じ切っていました。
『イングロリアス・バスターズ』では全く逆の立場を演じていたのにね😅...やっぱり俳優って凄いや(^◇^;)

ただ、やはりこれといった面白味には欠けますし、ラストの締めくくりもなんだかモヤモヤが残るようなラストだったので、あまりスッキリ出来ないのが非常に心残りでしたね😞

それでもスクリーンの向こう側からの“問いかけ”には観ているこっちも考えさせられましたし、その答えなき問いかけに深いメッセージ性が込められた映画でした。

自分の身に降りかかった残酷なる“仕打ち”。
果たして自分は復讐に駆られるのか、それとも...

メッセージ性の強い反戦意識も伝わってくる非常に良い映画でした。