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復讐者たちのkei188のレビュー・感想・評価

復讐者たち(2020年製作の映画)
1.7
目には目を、600万人には600万人を。

600万人とはナチスの犠牲人なったユダヤ人の数です。
第二次世界大戦、ドイツ帝国降伏後のお話。ユダヤ人、マックスは連合国の空爆でめためたになったドイツで、ユダヤ人旅団に出会います。ユダヤ人旅団はイギリス軍の支配下にあり、生き残ったSS(ナチス親衛隊)の幹部を探しだしては、その場で処刑するという任務についていました。この旅団に合流し、連れてこられたのはユダヤ人の難民キャンプ。家族をキャンプで探すも、ホロコーストで犠牲になったことを知ります。
やり場のない怒りと悲しみのさなかに、森の中で「ナカム」というパルチザン(レジスタンス)に遭遇し、ナカムの一員となります。

ナカムの目的は、600万人には600万人を。ドイツの5つの都市で、復旧途上の上水道に毒を入れて、ドイツ市民を殺すというもの。

リーダーが毒を入手するために、エルサレムに帰国し、戻ってくるまでの顛末です。

マックスは当初はユダヤ人旅団のスパイ的な位置づけで、ナカムの行動を旅団のリーダーに伝え、上水道毒殺の計画を伝えていましたが、ナカムの連中と行動するにつれて、アーリア人への復讐心がメラメラと湧き上がり、PLAN Aと呼ばれた作戦は成功し、復讐は成功するのか?

史実に基づいたお話です。実際にこのテロ計画はあったのですが、歴史上では語られることはありません、成功しなかったから。顛末はお粗末なものでした。この映画は、無実の人を貶めることはおろかなことである。なにもしていない幼い子供の命を奪うのはおろかなことである、ということです。

そのテーマをマックスとナカムの一員の女性のアンナとのつながりで見せます。ここは事実なのでしょうか?大事にしていた子供と家族をホロコーストで失ったマックスとアンナ。テロ作戦中に、大人の関係になってしまいます。そして、アンナは街にいる子供たちを見て、母親としての母性を取り戻し、作戦から離脱します。

ここも本当の話なんでしょうか?作戦は失敗に終わります。失敗に終わることと、子供たちの未来、の関連性は特に語られず。

この映画はイスラエルとドイツの共同制作です。ナチスのユダヤ人の迫害を史実としてイスラエルを主軸に語った映画やドラマは少なかったと聞きます(さほど詳しくない)。映画としても、イスラエルでは自国民の過去の凄惨としての事実を題材にしたものも少ないと聞きます。

その点では画期的だったのかもしれません。しかし、映画としては、どうなんでしょう。事実に完璧に沿っているというのなら、致し方無いですが、そうでなければ、マックスとアンナがあんな風に男女の仲になり、テロが失敗したのは違和感でした。

2021年劇場ー71本目