ナンデヤネン

復讐者たちのナンデヤネンのネタバレレビュー・内容・結末

復讐者たち(2020年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

事実に基づいているのでお堅い社会派ドラマを想定していたが、ほんのりエンターテイメント性も加味されていて見易かった。
パレスチナのユダヤ人軍事組織ハガナーに協力して同人の過激派組織ナカムに潜入するマックス。「PLAN A」の実行を阻止するつもりが妻子を殺された自分の復讐心と息子を失ったアンナへの愛情から、いつしか計画に加担するようになっていく。逆に熱心な活動家だったアンナは子供を殺すことに躊躇して組織を離れていくことに。という風に2人の立場は交錯し入れ替わっていく。結局、事件化せずに史実に残らずに済んだが、もし実行されていたら世界のユダヤ人に対する評価はだいぶ変わっていただろう。はたしてイスラエルという国は存在していたか。
戦争が終わっているにも関わらず、庶民であるドイツ人がユダヤ人を揶揄したり中傷している場面が見受けられた。ナチスがホロコーストを始めたとはいえ、ユダヤ人に対する差別感情は、当時の一人一人のドイツ人の心の中に潜在していたのかもしれない。それは現代においても、人種・民族差別が国の権力者が変わったり法律が制定されればなくなるものではないという難しさを物語っている。
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