足らんティーノ

復讐者たちの足らんティーノのレビュー・感想・評価

復讐者たち(2020年製作の映画)
4.0
「長年の苦しみ 繰り返さない 目には目を 600万人には600万人を」

良心と耐え難い復讐心の二重スパイ、その狭間で苦悶する葛藤。

「想像してみてくれ
 あなたの兄弟 姉妹 両親 子供たち
 何の罪もないのに殺されたらどうする?
 さあ自問してくれ どうするのかと――」

幸せに暮らすことが最大の復讐。

計画を阻止しようとしたのがパレスチナのユダヤ軍事組織ハガナーだったというのは意外だった。

そしてラストシーンで、おそらく実際にNAKAMのメンバーだった人たちの平穏な、しかし年老いても目の奥に強い意志を持った、現在の姿が当時の写真とともに映し出され、涙が溢れそうになった。

2023-63/字幕

他のユーザーの感想・評価

nekoneko

nekonekoの感想・評価

3.4
主演俳優が「名もなき生涯」のアウグスト・ディールと言う事で観てみました

わぁ…コレは重い
実話ベースの史実に驚かされます

ホロコーストから生き延びた一人のユダヤ人男性👨が妻子を殺されたことを知って復讐に燃えるヒューマンサスペンス

アウグスト・ディールの喪失感と憎悪に満ちた渾身の演技にはココロ震えます

組織の復讐計画に関わっていく彼が最後の最後に選んだ究極の「復讐」とは!?

イスラエル建国
ユダヤ人によるドイツへの報復活動といった他作品とは違った問題提起の作品

やられたらやり返す
目には目を 歯には歯を……

現代を生きる私達にも投げかける…考えさせられる作品

…しかしながら全体を通して…もたっとした印象が残ってしまい数字が伸び悩みました……

📎ベストムービー更新🆙しました
MikuOshika

MikuOshikaの感想・評価

3.5
擦りに擦られたアウシュビッツ、ホロコースト、ナチスの迫害。
今作は戦後のホロコーストを生き延びたユダヤ人、妻や子を亡くした者たちの復讐心沸りドイツ人大量殺害を計画し実行しようとするまでのお話。
未遂に終わった計画とはいえ
ねりにねられた計画でとてつもない時間を要したPLAN A。
復讐とは一体なんなのか
というシンプルな疑問と結末の答え。
もしこの計画が予定通り行われていたら
抑えきれない怒りと悲しみを復讐することでおさまるのか
これからの未来がある子供達まで犠牲にできるはずもなく
そして誰も救われない。

イングロリアスバスターズやソルトに出演していたアウグストディールさん目当てに
鑑賞しましたが重すぎた。
息が詰まる時代と歴史。
ten

tenの感想・評価

2.9
希望の話が辛い。それを利用されていたのは知っているけれども。中にいた人にそう語られると、希望って何なんだ、と思ってしまう。
そういう計画があったんだなーという勉強にはなった映画。しかしながら「600万人には600万人を」の台詞に凄い違和感を抱いてしまい、以降集中できなかった。ニュルンベルグ裁判前の1945年に、この数字を認識してる人、ドイツ内にいたんだろうか。
taazan

taazanの感想・評価

3.5
ホロコーストを生き延びても、家族を失った深い悲しみの中で生き続けなければいけない。
哀しみと怒りの矛先は、もちろんSSや虐殺に加担した人達なんだろうけど、ナカムの対象は全ドイツ人。

『いい人生を送ること』それが主人公の復讐。そんな考え方に至るまで苦しかったんだろうなぁ。
eiganoTOKO

eiganoTOKOの感想・評価

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ホロコースト、ユダヤ人大虐殺はどの角度から何度見ても無理すぎる鬼畜の所業。
しかし、恐ろしいのはナチス党員だけではなく、選挙でヒトラーを、彼らを勝たせたドイツ国民である。そして知っていたのに、知らないふりをした一般人である。
あれ、これ日本の大日本帝国の背景もかなり一緒じゃね?、とか一瞬頭をよぎるが、わきに置いとく。

とりあえず、ナチスやべー、ドイツ市民もやべー、戦後もユダヤ人が生きる場所ねーってことでナチスの残党殺しはわっしょいしときます。
戦時中のユダヤ人大量殺人はOKで、終戦後の殺人鬼への復讐がだめな理由が、ごめん見当たらない。というわけで、ナチス残党狩りガンガン行こうぜ。
と思ってたら、「国家には国家を」をスローガンに掲げるドイツ市民600万人をターゲットにしたナカムという団体の登場。
これはどうなんだろってまた正しい自分が一瞬頭をよぎるが、パレスチナ人を大虐殺し、土地を奪って支配し、いまも爆弾落としまくりのイスラエル国家のやばさを考えると、ここで殺っとくべきだったかも。復讐としては成り立つから。
まあ、人の死にうんざりしてたユダヤ人だってそんなことやりたくはないがな…
という切なさ。

冷静に考えると、二枚舌外交でパレスチナとイスラエルの対立に手を貸したイギリスや、勝手に国家の樹立をパレスチナに許可した国連はろくでなし度が高い。
それなのに、命をかけてせめて復讐にトライしたナカムのリーダーを逮捕するイギリスにむかっぴした。
イギリス人、なんなのおまえら。おまえらのせいでパレスチナ人はたくさん死んでんだけど⁈ってど詰めしたくなるラストでした。
みんななかよくして…
Muttu

Muttuの感想・評価

3.5
登場人物たちの抑制された表情の中に、極限の苦しさや悲しみに耐えた人が持つ「暗さ」が表れていたように思う。
復讐には様々な形がある。
MaIKo

MaIKoの感想・評価

3.6
過去観賞作品。
1年以上前に大量に映画見ていた時期でレビュー忘れ。
(いったん記録だけ)
「復讐者たち」の感想・評価を全て見る

足らんティーノさんが書いた他の作品のレビュー

ドッグマン(2018年製作の映画)

3.8

傍若無人で、町の厄介者、誰が見ても「いつか誰かに殺される」男と、幸薄い顔の小柄で気の優しい主人公。
胸糞なリアル ジャイアンとのび太。

2023-72/字幕

その土曜日、7時58分(2007年製作の映画)

3.5

"早く天国に着きますように 死んだのが悪魔に知られる前に"

シドニー・ルメット監督の遺作で、フィリップ・シーモア・ホフマンとイーサン・ホークが兄弟役を演じる不条理もの。
ストーリーとか強盗の根源に親
>>続きを読む

黒い牡牛(1956年製作の映画)

3.7

前半は少年と牡牛の絆を描いたアニマル映画、そしてメキシコシティのロードムービーを経て、終盤は闘牛映画になる。
牡牛ヒタノを大統領を探してまで助けようと奔走する少年もまた勇敢な牡牛。

アカデミー原案賞
>>続きを読む

ワイルドライフ(2018年製作の映画)

4.1

ポール・ダノの監督デビュー作。
キャリー・マリガンの熱演が見事。

"山火事"が降り掛かってきた時に剥き出しになる大人の野生。
子どもは「自然の摂理」にしたがって耐えるしかない。
14歳というのが絶妙
>>続きを読む

ミュージアム 序章(2016年製作の映画)

3.5

JK拉致ってタコ殴り!
この容赦のなさ、さすが白石晃士。

カエル男が監督になってカメラ位置まで指示する余念のなさ。

そして娘を誘拐された父親同士のバトルへ。

2023-68

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画のネタとしても使われるし、「ソイレントグリーンは人間」って有名になってるから、そこの驚きはなかったけど、個人用や住宅用"家具"として若い女性が雇われてたり、刑事の事務的な相棒が"本"と呼ばれてたり>>続きを読む