復讐者たちの作品情報・感想・評価 - 22ページ目

「復讐者たち」に投稿された感想・評価

BROOK

BROOKの感想・評価

4.0
鑑賞日:2021年7月23日
パンフレット:720円


目には目を、600万人には600万人を――!


いやぁ…まだまだ知らない歴史が多いですね。
今作はユダヤ人迫害を題材にした作品ですが、いろいろと勉強になりました!

戦後しばらく経ってからユダヤ人迫害を題材にした「コリーニ事件」も素晴らしい作品でしたが、
今作もなかなかどうして、非常に良かったです。

”ナカム”という組織、そして、A計画というのも初めて聞きました。



映画は1945年のドイツ、ユダヤ人のマックスが隠れ家を提供してくれたものの、密告したドイツ人の家庭を訪れるシーンから始まります。

家の主はマックスを足蹴にし、妻子の行方も分からず。


街を彷徨っていると、アブラハムという同じユダヤ人の男が話しかけてきて、行動を共にすることに。

2人は英国軍隊のユダヤ旅団に保護され、避難所へと向かう。


マックスはミハイルに誘われ、ナチスの残党を私刑する場面へと連れて行かれ…

翌日、妻子の行方を知る女性から、2人は生き埋めにされたことを知らされるマックス。


復讐に駆られたマックスはユダヤ旅団に同行し、ナチスの残党狩りへと向かうのだが、途中、”ナカム”という組織の処刑を目の当たりにするのだった…。



とりあえず、戦後、ドイツが敗戦国となっても、ユダヤ人には居場所が無かったのですね…。
さらにはドイツ人からまだまだ迫害されていたとは…!

ユダヤ旅団はあくまでナチスの残党を処刑していくのだけど、
ナカムはドイツ国民全員に復讐すべきだと主張する組織で…

たしかに家族が殺されたとしたら、それを見過ごしてきたドイツ国民全員も同罪だというのも納得の動機かもしれないなぁ。

ユダヤ旅団とナカム、どちらが正しいのかは、難しいかも。



マックスがナカムにスパイとして入り込んでから、物語が大きく動き出していきます。
ドイツ国民全員を殺そうとするA計画を調べていくのだが、
徐々にマックスがナカムに感化されていくのは、人間として”あり”なのだと思う。

ただし、復讐に駆られることが正しいのかどうかの境界線は非常に難しいところ。


そうそう、マックスとアンナの”関係”はちょっと蛇足気味でした。
ま、同じ傷を持つ者同士として…?


マックスの決断は是非とも劇場で確かめてみて欲しい。
というか、歴史を知っているならば解っちゃうけどね(苦笑)

復讐はいい人生を送ること…ということで♪


そういえば、エンドロール前に登場していた老人たちは、
本物のナカムのメンバーでしょうか?
エンドロールにSPECIAL THANKS TO THE REAL AVENGERSの文字とともに名前があったので。


そして、エンドロール終了後の『NEVER AGAIN』(二度と繰り返さない)という文字が非常に心に響きます。
ナチスに愛する家族を奪われたマックス。ナチスに復讐を計画するユダヤ人グループと知り合い、復讐計画に加担することに。実話ベースらしいんだけど、もし、もし本当にこの計画が実行されていたら、世の中はどう変わってたんだろうな。ナチス関連の実話ベースの映画を観る度に思うのは、きっと亡くなった人の数だけそれぞれのストーリーがあって、史実として、記録を残していく義務があるんだよね。戦争を知らない私達には。
Sohey

Soheyの感想・評価

3.4
ホロコーストを生き延びたユダヤ人組織によるドイツの民間人600万人の大量殺人計画。人間としての尊厳を損なわれたユダヤ人たちは自らも人間としての道理を超えてしまうのか。

計画実行へのスリリングな語り口もさることながら、良心と憎悪の間で苦悩する女性を演じたシルヴィア・フークスが素晴らしかった。
復讐にもいろいろな方向性があるけど、それが果てしないことに変わりはない。でもやらずにはいられないのが復讐!仇討と違って相手が多い!ああ、これが実話だなんて!
家族を奪われ地獄を生き延びた者達の報復。負の連鎖と言い切るにはあまりにも切ない。

暗躍する様々な機関に私はまだ何も知らないんだと痛感する。史実そのものがネタバレだけど、終盤の大胆な一手間に亡き者の叫びを聞いた。この時代の調査は進み益々この手の作品は作られるのだろう。
m

mの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

理性的でしっかりとした作品。

ユダヤ人側からのみ描写する戦争映画ってあったっけ。静かに考えさせてくる。
まだまだホロコースト関連については知らないことあるんだなと驚きました。。

そりゃ復讐したい気持ち湧き上がるよね。
ナチスドイツは負けましたっつってもナチの残党は残っていて思想も変えずに普通に生活してるのを見たら、
自分や自分の家族をされたことを「お前も体験しろよ」って思うのも無理からぬことだと思いますよ。


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正しい復讐?

『復讐者たち』四コマ映画→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2737


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ホロコーストとは、ナチス政権とその協力者による約600万人のユダヤ人やロマ、同性愛者などの組織的、官僚的、国家的な迫害および殺戮のこと。

僕が10代の頃に、『シンドラーのリスト』(1994)と『ライフ・イズ・ビューティフル』(1999)が大ヒットしまして、おそらくこれら映画でホロコーストというものが広く知られたんだと思います。

『ベント/堕ちた饗宴』(1997)や『ソフィーの選択』(1983)などもありますがそんなに多くの人が見たとも思えず(僕もまだ見てませんし)。
学校の授業では習ったけれども、映画以外にナチスやホロコーストについて広く知られる機会もそんなにないでしょうし。

その後もナチスやホロコーストを扱った映画はたくさん作られて、どんどん溜まっていって、玉石混交ではありますけど、題材が題材なだけに作り手も本気だからか、名作やサスペンス的に面白い映画も多いです。

エンタメ映画、コメディ映画の皮をかぶってるけど実は結構なナチス映画!ってのも出現してきましたね。
いろんな角度で描かれるのはいいことだと思います。

『サラの鍵』(2010年)、『否定と肯定』(2016年)、『帰ってきたヒトラー』(2015年)、『サウルの息子』(2016年)、『ハンナ・アーレント』(2013)あたりもオススメです。


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さて、この『復讐者たち』。

面白い。
ナチス側はほとんど描かれずに、ナチスに苦しめられたユダヤ人たちの中でも様々な考えの人がいて、その入り組んだ感じが面白い。

ちゃんとした手順で間違いもなく残酷でもない処刑をしていきたい派と、
(↑もちろんこれだって法律違反だし倫理的にもダメだわな)
過激にサクサク殺していくしなんならドイツ人全員を殺す計画を遂行してる派の対立。


***

ナチス側を描かないのも話に合ってますし
人物がそれぞれ的確で、人数合わせみたいなキャラもいなくて、各々が活躍していたのも良かったです。

過激派ナカムのリーダーのキャラクターも良いですね。
そんなに出番はないんですけど、落ち着いた人物で淡々と喋るので、逆に「この人も辛い目にあったんだなぁ」とか「復讐の鬼に囚われてるんだなぁ」と、こっちが勝手に想像を膨らませるキャラクター。素晴らしいじゃないですか。
この映画の一番の悪役なはずなのに。


***


サスペンス映画としての作りが上手いんだと思います。

多くの人が許容できる(できそうな)復讐を遂行する側と
さすがにそれはちょっと…と思う復讐を遂行する側の対立が面白いし。

その計画を止めるスパイとして送り込まれた人がそっちに飲み込まれてしまう感情の流れもよくわかる。

なので結局は戦争って100パー絶対ダメだし、人権を軽んじてるといつまで経っても問題は起き続けるんだという思いを新たにしますよ。



***


実話をベースにしてまして、確かにほんとにこの恐ろしい復讐が計画されていてある程度進められていた事実はあるようです。

物語の根幹はリアル。
ネタバレになるかもしれないので言えませんが、エンドロールに「あ、リアルなんだ…」って思わせるあの演出がありますし。

ただ、エンタメ映画としての構造もありまして。

ネタバレせずに書けないや。



公開されたらネタバレ書きます〜。



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『復讐者たち』四コマ映画→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2737
regency

regencyの感想・評価

3.0
ユダヤ人によるナチスドイツ殺害と聞けば、真っ先に思いつくのがタランティーノの『イングロリアス・バスターズ』や、そのタランティーノがリスペクトを捧げた『追想』があるけど、本作は実在したナチ残党暗殺に動いていたユダヤ人旅団や、さらに過激な集団「ナカム(ヘブライ語で「復讐」の意)」を描く。
暗殺する上でも、ある種のルールに則って行動する旅団に対し、ナカムは一般のドイツ人さえも無差別に殺そうとする。かつてナチが無差別にユダヤ人を殺したように。
当初は旅団側のスパイとしてナカムに潜入した主人公も、ナチに妻子を殺された恨みをたぎらせ…というあたりが本作のキーポイント。
復讐は「正義」とイコールになるのか?それは観る者の判断に委ねられるが、主人公を含む旅団やナカムたちが最終的にたどり着く、ナチスへの最大の復讐方法に注目。

より詳細なレビューは↓
https://cinemarche.net/suspense/plan-a-matsu/
ナチスの民族浄化で家族を失ったマックスは、隠れたナチスを見つけ出し、復讐しようとしていた。同じ目的を持つユダヤ人組織に加わるが、ナカムと名乗る過激派ユダヤ人組織に出会う。彼らはナチスだけなくドイツ人全体を憎んでいた。「我々が迫害されるのをドイツ人は喜んで見ていた。600万人なら600万人を!」。ナカムのA計画を阻止しようとするマックスだが、彼らに共鳴。水道管工事の職人に成りすまし、配管に毒を流し込む計画に加わる。実行するか、思いとどまるか。
本作のメッセージは、復讐、憎しみの人生が幸せなのか。良い人生を送り、幸せになることが最大の復讐ではないか、というものだ。しかし憎しみを風化させて良いのだろうか。今、同じことが繰り返されている。中国のウイグル人弾圧、民族浄化計画である。
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