復讐者たちの作品情報・感想・評価 - 5ページ目

「復讐者たち」に投稿された感想・評価

Waka

Wakaの感想・評価

4.2
生々しい歴史模様。
色々な角度、目線があるけど、
あらゆる描写にリアルな感情が注ぎ込まれてる。

このレビューはネタバレを含みます

終戦後のドイツ。
生き延びたユダヤ人の驚愕の復讐計画。
されたことを思うと気持ちもわかるが…
本当に起きたとしたらの映像があり辛い。
空海花

空海花の感想・評価

3.4
イスラエル出身の兄弟監督 ドロン・パズとヨアヴ・パズが、復讐計画に実際に関わった人へのインタビューなど様々なリサーチを経て、作り出された、
ホロコーストの歴史を題材にしたスリラー作品。

ホロコーストを生き延びたユダヤ人によるドイツへの復讐計画“PlanA”が原題。
その恐るべき内容が映画内で明かされる。
イスラエルの一般市民はホロコーストの話を聞かされて育っているというが
劇中に出てくる“ユダヤ旅団”や“ナカム”などの集団や
この大きな復讐計画を知っている人は少ないという。

「目には目を、歯には歯を
 600万人には600万人を」

第2次大戦後、主人公マックス(アウグスト・ディール)は強制収容所から帰還する。
生きて帰ってきても周囲は冷たく
密告した人物に会うが、敵意を剥き出しにされ
家族の手掛かりを探すものの、収容所で殺されたことを知り、絶望と失意の底へ突き落とされる。
彼はそこで“復讐”という行動に出会ってしまう。

“プランA”その計画にももちろんゾッとするが
周囲の冷酷さや敗戦の過酷さにも心が冷え
家族が殺されたことを知った時のマックスの反応は胸が張り裂けそうになる。
難民キャンプに行くくらいしか道もないこと
同胞が日々殺された現実を見てきたであろうこと
それとは別に“ユダヤ旅団”がパレスチナにユダヤ人の楽園を夢見ていたこと
断片ながら印象に残る。

「幸せに暮らすことが復讐」
その言葉は答えのように思えるが、
その後のイスラエルを思うと、鬱々とした気持ちにもさせられる。

繰り返される言葉 “Never again”
繰り返されなければいけない言葉。
知っておかねばならない歴史。

監督は復讐への憎悪と良心の葛藤を
アウグスト・ディールと
シルヴィア・フークスの男女に分けた。
演技には申し分のないはずの2人だが、
そのドラマ性は単純に感じ、あまり納得がいかなかった。
アウグスト・ディールさん好きなので
この仕上がりは個人的にかなり悔しい。

それでも何度もこの作品は問いかけてくる。
大切な人を傷つけられた時にどんな感情が起こるのか
1度は相手をどうにかしてやりたいと思うかもしれない
じゃあどうするのか?
生きる希望を無くした時、
復讐をその糧にすることは生きる目的になるのか
それは正しい訳では決してないが
善悪をすっ飛ばして
人はそれほど生きるための目的を渇望しているのか。
復讐とはなにかを問い続けてくる。
結末は、悪魔の袋に委ねて─
そして何より「プランA」を初めて映画化したという意味でも大いに意義ある作品だろう。
ドラマ仕立てになっているから、確かにわかりやすさもある。
冒頭にもある水とアウグスト・ディールの画はベタとはいえ私得。


プランBは実行された。。


2021レビュー#149
2021鑑賞No.316/劇場鑑賞#52
ぺふ

ぺふの感想・評価

3.0
夏はやっぱり戦争のことを考えようと思うので、見たのですが、こちらは戦後の話。

そうか、ホロコーストに対してユダヤ人が復讐しようと考えるのは当然か。やられっぱなしな訳ない。それにしても色々流派があるなんて、今回初めて知りました。
ユダヤ旅団、ナカム、ハガナーとこんなに濃淡色々の組織がそれぞれ色んなやり方でやってたら確かに訳分からなくなるね。

プランAと呼ばれる計画は実際にあったそうで、これが実行されたら、ドイツ人への被害もユダヤ人への非難もどちらも凄いことになってたのは間違いない。

ドキュメンタリーの部分とストーリーの部分と何だか上手く融合できてない気がして、ちょっと乗り切れなかった。
でもマックスが死神の袋を開けてからの展開は本当にぞっとした。
そして市井のドイツ人達の全然変わりないユダヤ人への差別意識も。

やはり全編英語なのが違和感ありあり。セールスのためにやむを得ないのかも知れない。海外の方は平気なんだろうか。
simpsons

simpsonsの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「自分にはその資格がある」
プランAもナカムのような組織があったことも知らんかった。
けど観ながら、よくよく考えたら想像したらそらそうなるわ、と思った。
密告されて収容所で地獄の日々を送り、大量の同胞が毎日殺されるのを目の前で見て(1分で2人殺されるってアウシュヴィッツレポートで言ってた)、家族も生き埋めにされて、生きる糧もないし、死ぬのも怖く無いし、ナチスだけじゃなく傍観者だった住民や逃亡者を密告した住民も許せない。
元ナチスたちは戦後も自由に暮らしているのだ。
「アイヒマンを追え」や「コリーニ事件」を見れば分かるように、ドイツ市民の殆どがナチス党員もしくは関係者だったし、戦後ドイツの司法省高官の8割は元ナチスか親衛隊で、裁判で裁かれるのを待てないと言うセリフがあったが、そもそも法によって裁かれるか分からない(実際にコリーニ事件では裁かれなかったのであの様なことになった)
自ら復讐したい、いや、しなければ、と思うのは当然の心の動きだろう。

袋の中に入っていた死神は復讐心だったんだろうなあ
片田珠美さんも攻撃してくる相手に対して、「言い負かすことが目的では無い。勝った負けたが重要ではなく、幸福になることこそが最大の復讐なのだ」と言っていて、なるほどと思っていた。
だから、最後の結論は初め納得したけど、よくよく考えたら分からなくなってきた。
一対一の関係と、民族や国との関係はまた違うのでは無いか(というあくまで現段階での疑問)
それに、奪われたものが大きすぎる
家族なんて唯一無二の存在だろう
その後、生き残ったユダヤ人にとっては苦しみの日々で生きた心地がしなかっただろう(コリーニ事件のように。彼はユダヤ人ではないけれども)
一方生き残ったナチスや傍観者だった市民は何の罪も問われず、恐らく殆どが罪悪感も感じずに生き延びたし、高い地位に就いた者も多い

なぜ?
不公平では無いか?
社会的制裁も問われない

唯一自分を納得させるには、相手と同じ非道なことをする自分では尊厳が保てない、ということくらいかな
でも全て失ったら生きるも死ぬも同然だろ
苦痛でしか無い

それに、自分が幸せになること、生きることが相手への復讐なんだって思いながら生きるのも辛すぎひん?
傷付いた上に誰かが自分の不幸を望んでいること、死ぬことを望んでいることを認めて生き続けなあかんなんて

復讐したい理由の一つに、自分と同じ苦しみを味わってほしい、もしくは同じ痛みを抱えて生きてほしい
という思いがあると思うけど、そういう人達は自分の痛みには敏感だけれど、人の痛みには鈍感だし、自分のしたことは忘れてるか正当化してるかのどちらかで(アウシュヴィッツレポートのナチスが息子を亡くした悲しみをユダヤ人への憎しみへ転換していた)、結局憎しみは憎しみを生むだけだ

解が見えん
と言うわけで結論
やはり、社会が、世界が、裁くべきだった
少なくとも社会的制裁を
あれだけ誰もが認める恐ろしいことをしても何の罪にも問われず自由に生きられるなら、あんな酷いことしても許されるのか、とまた同じことが起きかねない
ユダヤ人以外の人にとっては人ごと、関係ないという考えが根底にあったことのではないか
たった80年前の話だ
正義はどこに存在するのだろう
世界は反省しなければならない
「何の罪もない兄弟姉妹、両親、子供たちが日本人撲滅という理由で惨殺されたならば、あなたならどうするか?」

600万人という数字を聞いて改めて驚愕した
人口(かなりアバウト)
大阪市 300万人
横浜市 400万人
大阪府 900万人
東京都 1400万人

あらゆる人員とコネ使ってよくもここまで集めたなと思うし、国としてある民族撲滅のためにそこまでした憎悪が怖すぎる

密告した隣人が自分の家を奪ってたけど、
結局金持ちへの妬み、嫉妬、ユダヤ人のお金と地位目当てが大きい気がした(ユダヤ人皆が皆金持ちじゃないのに)
迫害したらユダヤ人の財産も地位も代わりに誰かが得られる
そして復讐を恐れて虐殺しようとしたのかも
卑劣すぎて悲しくなる
やってることは強盗殺人と同じなのに、それが大衆の民意なら正当化されるのか?

その上旅団の仲間にまで「収容所でどうして抵抗しなかった?」と責められて
私なら腹立って
一回収容所入ってみろよ!って言ってしまうわ
他にも収容所の映画いっぱい観てたら分かる
どれだけナチスのやり方が巧妙で冷酷か
「希望があれば人は何でもする」
あれもナチスの手口を見てきたからだろう
抵抗するのがどれだけ難しく、例え成功してもどれだけの犠牲を払うか
ナチスによる心理掌握は全て計算し尽くされている
マックスが自分が列車から降りてくるユダヤ人たちを出迎える役で、その時に逃げろと言えば良かったと自分を責めていたが、それもナチスの手口だろう
同じユダヤ人に笑顔で迎えさせ相手を安心させる
そして出迎える方には責任の一端と心に傷を負わせ、自分を一生責め続けさせる

あと、ユダヤ人たちがパレスチナへ向かったのは、そこでもしかしたら家族が生きていて会えるかもしれないという希望があったからかも、とこの映画を観て思った。

never again
never again!!
迫害はダメだけどされた側はやられっぱなしでいろと?
何もできず守れなかった家族に同胞にしてあげられることは?
生きる為とはいえ自分がしてきたことの償いはどうすれば?

何が良い悪いと決める訳じゃないけど、
目も当てられないほどの悲しい出来事の後に何を思うのか考えてしまった
実話を元にいい話を作ろうとし、わざとらしく薄っぺらい内容になってしまったように感じました。
Tomomy

Tomomyの感想・評価

4.0
ホロコーストを生き延びた主人公が、ナチスに妻子を殺された事実を知って復讐心に突き動かされていく物語。

登場人物の殆どが架空の人物ではあるけれど、実際に企てられていたドイツへの復讐計画プランAがどういったものだったのか、知る良い機会になった。
ニュルンベルクを含む5つの主要都市のドイツ市民600万人を毒殺する大量殺害計画。
「目には目を、600万人には600万人を」
この言葉が一番人間らしくて一番響いた。

物語の中で、ユダヤ旅団のひとりが主人公に尋ねた台詞「なぜ抵抗しなかったのか?」は、なかなか口には出来ないものの、 ぜひ今後より検証してもらいたい視点。
もちろん戦前から延々と続くユダヤ人に対する迫害の歴史や、その背景にある反ユダヤ主義という相当に根深い問題等を踏まえれば、なかなかに結論を出すのは難しいのかもしれないけれど、数の上では圧倒的に収容されていた人々の方が上にもかかわらず、なぜこのような悲劇を止めることが出来なかったのか。
今後の政治や国際情勢等を見ると、多くの人と真剣に考えたい問題だと思う。

そしてこの作品で最も印象に残ったのが、作中で周囲の人々が度々向ける、戦後のユダヤ人に対する冷たい視線。
ホロコーストとはナチスやヒトラーがしたことだけではなく、この視線がそもそものホロコーストの始まりなのだと改めて背筋が寒くなる思いがした。
がんも

がんもの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

絶対に袋を開けてはいけないよ、悪魔が出てくるから…
そう言った老人は本当に人間だったのか❓

悪魔とは自制のきかなくなった自分だ。感情の激しさに身を任せて突き進む復讐の鬼だ。その袋をついに開けてしまった時、街は静けさと死体しかいなくなった。

密告され、家族を殺され、家を奪われた男は、戦争が終わって戻ってきた時亡霊だった。悪魔に案内されて復讐者となった男は、袋を開けて悪魔になるのか…という寓話の様な筋書きだが、事実に基づく話。人はいつでも悪魔になれる。そして人を悪魔に出来る。

そおっと近づいてくる老人が人ではない感じに見えたり、袋を開けてからの行動がすごくリアルだったりで、この監督やるなあ〜と唸りました。

このレビューはネタバレを含みます

もし、身柄を確保されず、プランAが実行されていたら。
ぞっとする。

あなたにおすすめの記事