サラリーマン岡崎

ムーンライト・シャドウのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)
4.2
「別れ」を描いた物語だけど、観終わった感想は「出会い」の話だったと思う。

主人公さつきは偶然的に等と出会い、恋に落ちる。
その出会いをきっかけに等の弟である柊とその恋人のゆみこと出会う。
その4人の関係が楽しく過ごす様が前半描かれる。
そのあと、等とゆみこが亡くなってしまうが、
その中でさつきと柊は二人への思いを「鈴」や「制服」という相手への思いが入ったモノに重ねる。
さつきと等の出会いのきっかけとなった鈴と
ゆみこの温もりがこもっている制服。
誰かと出会った中で、思い出や相手の温もりが込められたモノに相手への感情を込める。
相手への思いが込められたモノに対する「感覚」がこの映画では映像的に語られる。
(ゆみこの「踊り」もそうだ。)

そういったたくさんのある人との思い出が感覚的に溜まっていくことが人生であることを語っている映画だと思う。
この映画はそれを「死」という人生で一番悲しいテーマで描いているが、
「死」でなくても、人は出会いと別れを繰り返して、
その中で相手への思いを何かに感じ取って、それを積み重ねて生きていく。
悲しい物語ではあったけど、そういった人生の前向きなテーマを扱った映画だと感じた。