りょう

ナイブズ・アウト:グラス・オニオンのりょうのレビュー・感想・評価

3.7
ナイブスアウト第二弾。思い出せば第一弾にはアナ・デ・アルマスが出てて、さらっと観れる佳作だったという記憶。

今回はミステリーの定番が詰まったシチュエーション。孤島+双子+複雑に見えて実は単純。そういった意味ではあの絵が燃えるというアイデアとか、未来のエネルギーとかそのあたりから逆算していって、ミステリーの定番をうまく組み合わせてできた作品という感じだった。

ばっちり前半の伏線回収もしてくれて、観終わった後に特にしこりが残らないようになってる。

なんだけど、名作を見た!と思えないのはお話の重厚感があまりに無いからかな。それがこのナイブスアウトシリーズの魅力でもあるのかもしれない。せっかくシリーズにするなら話とは別で、シリーズをつなぐ骨となるストーリーがあるといいのかも。ブノワの生い立ちとか何故探偵をやってるかとか、それぞれの事件の裏には共通して糸を引いている存在がいるとか。

エドワード・ノートンが絶妙だった。口だけ達者で中身ペラペラの役がよく似合っていた笑
そして、ジャネール・モネイの最後のキレっぷりがたまらない。もともと音楽アーティストなんですね、ちょっと聞いてみよう。ダニエル・クレイグは007と比べてリラックスして演技しているように感じた。シリアルなシリーズからのナイブスアウトシリーズでこれはこれでライトに観れてよい。

現代では、単純な真実が、名を語らぬ多くのネット民や権力を持った人たちによって複雑化されよく分からなくなっているようなことがあるよなと思った。冷静になってみると単純なことに気がつく、そういう目をちゃんと持っていたいな、とか思いました。
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