脚本:渡辺あや、音楽:大友良英、と言うビッグネームがバックについてるので、期待値は上がってしまう。
そこを変に捻る事なくストレートに表現した本作。
心を許した相手には虚勢を張り、傍若無人な態度を取る晃。文江に対する態度がホントに失礼。最初、文江は晃に好意を持ってるのかとも思ったけど、これは姉が弟を思う気持ちに近いのかな、と思った。
お祭りの夜に見失った2人を探して途方に暮れる晃に切々と語る先輩との現実。
捻くれ者の晃が軽く哀れになった。
それにしても惑わす人、中崎敏の醸し出す雰囲気と色気感。
そして、惑わされる人、須藤蓮の神経質で繊細な体のパーツ(うしろ頭、足首、横顔の震えるまつ毛)の説得力。
監督でもある彼が自分のパーツの説得力をどこまで自認してたのか、知りたくなる。
女性陣の富山えりこの安定感と木越明浮遊感も本作の魅力。
自然と衣装の鮮やかさと、虫の声と劇伴の融合性も良い。
