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フォーエバー・パージのTSのレビュー・感想・評価

フォーエバー・パージ(2021年製作の映画)
2.8
【もう出し尽くしたか。。】64点
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監督:エベラルド・ゴウト
製作国:アメリカ
ジャンル:スリラー
収録時間:103分
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 2022年劇場鑑賞27本目。
 パージ5作目にして最終作。地味にパージシリーズを映画館で見たのは初めて。SAWまでいきませんが、とにかくダラダラと続編化していき落ちるところまで落ちた印象。全体的にそこまで評価の高いシリーズではありませんが、個人的には2作目『パージ アナーキー』にはそれなりの社会的メッセージが内在されているので高い評価をつけています。皮肉にもこのパージ法というものは興味が湧くコンテンツとしては十分なものでありました。「12時間、いかなる犯罪も合法となる」と言われたらバイオレンス映画が好きな人はやはり食いついてしまいます。そしてただのエンタメに終わらせずに、人間の愚かさを突いてきた2作目は普通に秀作であると思いました。まあ今作は落ちるところまで落ちたけど、落ちきれずに耐えて終わった印象。スコアは低めですが、見て後悔したと言うほどのものではありませんでしたかね。

 移民問題が深刻になる中、年に一度のパージ法が繰り出されます。サイレンが鳴ってから半日はやりたい放題。基本的にはこの間家に頑丈なシャッターをかけてやり過ごすのが普通なのですが、私怨にまみれた狂人たちはこの日のために銃を買い集めては、夜な夜な街中で殺人劇を繰り広げるのです。正気の沙汰ではない。自分の大事な人が殺されたら、その報復として、というのはまだわからないこともないですが、ただただ快楽を満たすためだけとかに出陣する人たちの気がしれない。ただ、残念なことに法律をなくしてしまえば、こういう人間が一定数いることもまた事実。人間とは本当に愚かな生き物です。

 そして今作においてはついに、パージ法が適用される時間が終わったのに、パージよ永遠にと吠える連中が時間に関係なく殺し行為を行っていくというもの。これでは最早ただの無法国家。自分たちは一体何を見せられているのかと思わされてしまい、ここまでくると元来パージシリーズが備えていた魅力がほぼ死んでいます。強いてあげるとするならば、移民大国アメリカの移民問題が膨れ上がり、その苦悩や憎しみを無差別殺人で例えているのかという点。冗談では済まされませんが、やはりメキシコからの移民が多く、しばしば火花の種となってしまいます。ただ、あまりそのあたりは伝わらなく、ただただ銃をもった民間人たちが銃撃戦をするだけの映画となってしまっています。駆け引きも特になく、良くも悪くも無難な映画と化しています。

 恐らく今作で終わりとなると思いますが、もう未練タラタラで続編をつくるのは良くないと思われます。むしろ5作目なのによく頑張った方だと思います。このくらいにしておきましょうよ笑
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