結局カレー

前科者の結局カレーのレビュー・感想・評価

前科者(2022年製作の映画)
3.3
動物って追い詰められた時”逃げ”られないと”殺す”か”死ぬ”かの2択が迫られる。人間には「理性」があるから逃げられなくてもその2択を簡単には選ばないけど、耐え続けた先にプツンと糸がきれてどちらかを選んでしまうことがある。逃げるには愛情や、お金や、信念が必要だけど、それを最初に自分に授けてくれるのは親。だから親にそんなのすっぽかして怒りや憎しみだけ植え付けられたらそりゃ人の道も外れるよと、つい犯罪者に同情してしまいそうだった。実の宿命があまりに辛すぎる。

保護司、は親じゃないからそのどれもを簡単にあげられないけど、少しでも良くなる未来を願って寄り添えるのは“他人”ができる最大限の優しさ。とても報酬のないボランティアがもつ責任ではないし、でもボランティアという縛られない曖昧さが心の垣根を越えるのかもしれないなと思った。佳代ちゃんの行動は贖罪のようにも見えて切ない。

若葉竜也氏、出る映画出る映画でインパクト残すなぁ、、父親と対峙するシーンでは圧倒された。