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前科者のionのネタバレレビュー・内容・結末

前科者(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

前科者の更生をサポートする保護司である主人公阿川。口下手だが真面目で順調に更生していた工藤が更生期間満了を目前に忽然と姿を消し、同時期に起きた連続殺人事件の犯人として浮かび上がる…。本当に彼が犯人なのか?目的は何なのか?

鑑賞後、一言では言い表せない。
重い。すっきりするようなものではないけれど、前科者のその後について考えるきっかけをくれた作品になった。

保護司って一切の報酬が出ないんだ。そんなことある…?
こんな重役が無銭?信じられない。善意の搾取だ…。

罪は連鎖する。
生まれる環境は選べない。
殺された被害者もここまで生きてきたひとりの人間で、殺した加害者もまたひとりの立派な人間。
その周りにもやっぱりたくさんの人間関係があって、誰かの犯した罪は形を変えて続いていく。
それぞれが悩み苦しみ犯した罪と、彼らがそれに至るような行いをした罪、どちらが重いのか。

更生するしないの問題はたまに話題に上がって考えることはあれど、罪を犯した人間の数だけ経緯も性格もバラバラなわけで…。うまく答えが出せたことが無かった。
性善説が性悪説か。
私たち一般人からすれば再犯が怖いのはもちろんだけど、当人も再犯を恐れているなんてな、つらいよな。
難しいテーマだ。
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