のんじ

かばののんじのレビュー・感想・評価

かば(2021年製作の映画)
4.2
 この映画を観ていて、この時代(1980年代)に放送されていた別のTV番組を思い出していた。何となく自分の居場所を失い不平不満が横行して学校内外からして世の中斜めに物事を見たり考えたりする者が多いようだったかな。
 部落差別や人種差別や偏見において先生が関わる生徒への支援には限界があるだろうが、しかしながら生徒の為にと取り組む姿に感動する。実話であるとのこと思春期の子供達に体当たりでぶつかるそのエネルギーと心に頭が下がる。
 人は誕生によりいくつかの使命を負わされているともいうが、生きることへの苦悩は人それぞれ異なる、しかしこの世に生まれた限りは誰もが命を全うして欲しいと思う。
 喜怒哀楽は人間のみの感情であるがため明日への希望と勇気がでる日々であって欲しいとも願う。
 比較してはならないのだろうが、生徒に本気で向き合える時間と保護者への対応も激変している先生受難の時代に、聖職者と言われた時代とは向き合いかたも変わらずにはいられない今である。
 人間関係には一言では表せない複雑な関係が存在することを感じ、健常者であろうと障害者であろうとも人間としての本質を忘れないで生きていくことであると強く思える映画であった。
 この映画を知らなかった私に推薦してくれた人に感謝と息苦しい今だからこそ是非観てみて欲しい。
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