【教師業も大変】
1985年の大阪・西成区にある公立中学が舞台。
部落民、在日朝鮮人、沖縄出身者しかおらん、と言われる荒れる中学。
ここで教師たちが生徒に寄り添いながら教育に従事する様子が描かれています。
いわゆる熱血教師もののTVドラマや映画が流行ったのはずいぶん以前のことですが、今どきはあまり作られなくなっている。世の中複雑で、熱血教師のひとりやふたりで学校教育の問題が片付くはずがない、という認識が広がっているからでしょうか。
この映画も時代は1985年ですから、まだケータイもスマホもSNSもなかった頃。パソコンも使われていません。
非常勤ながらこの中学で教えることになった若い女性教員。彼女の扱いはフィクション色が強いように思えましたが、実際はどうなのでしょう。実在の学校をモデルにしているそうなのですが。
これに比べると30代の男性教諭を演じる山中アラタは、体つきががっしりしているし、容貌も頼りがいがありそうだし、いかにも教師に向いているなと思いました。
卒業生の悩みを聞くシーンも含めて、地域の抱える問題は学校内だけのことではなく、卒業後も続くのだということがよく分かります。
つまり、問題は社会全体にあるわけで、学校内だけの努力には限界があるということですね。それでも、教師は学校内での職務をまっとうするしかない。
むかし、教師業を聖職と言いましたが、今どきは3K扱いされてなり手が少なくなっている教師業は、やはり大切な職業ですね。