国立競技場に隣接した都営霞ヶ丘アパートに住んでいた老人たちが、東京2020オリンピック等に伴う再開発ために、長年住み慣れたアパートを追い出される過程を淡々と捉えたドキュメンタリー映画。
前回の東京オリンピックの年、1964年竣工ということは、いずれ老朽化により解体という運命であったとは思うが、そこに長年暮らしてきた人達のことを思うと心が痛む。我々が既に失ってしまった「近所付き合い」という昭和のコミュニティ感覚もあのアパートの中で脈々と生き続けていたんだろう。片腕しかない障害者のおじさんがリヤカーで荷物を運び引越し作業。部屋にはドラムセットやプラスチック製のトロンボーンがあったけど、残念ながら演奏シーンは無し。
音楽は大友良英さん。控えめながら素晴らしいアコギの音色。
