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ディア・エヴァン・ハンセンのmihoのレビュー・感想・評価

3.6
ありがたいことにお声がけ頂き、試写会に参加してきました!
BWで大人気のミュージカルを映画化。主演ベンプラットの歌声と美しい音楽はそのままに、主人公の回想シーンも映像化され分かりやすくなっている。LALALANDで作詞をされたパセク&ポールは、作曲のセンスも極上😌
1曲目のWaving thorough a windowは、「誰か自分を見つけてよ!」という叫びがストレートに音楽になっていた。これにはきっと誰もが心を掴まれる。ミュージカルにおいて最初に入り込めるかどうかはかなり重要な点だと思っていて、その点で言うとこの映画は満点。1曲目だけではなく全体的にも音楽はとても良かったし、終始制作陣流石だな〜〜!と楽しませてもらった。

が、それにしては低めの点を付けた。その理由は、大半の曲で主人公が本心を歌っていなかったことにある。詳しくは書かないけれど、主人公はずっと嘘をつき続けているため、観ている私も共犯のようで苦しくなった。いくら事情があろうとも流石に肯定はできない。伝えたいメッセージは“You are not alone” “You will be found”なんだろうけど、直には伝わってこないかな。これが舞台なら、楽曲のインパクトでぐいぐい引っ張っていくことが出来そう。

ベンプラットって本当に最高だし、試写会で頂いた資料を読んで、この作品が相当なこだわりのもとに生まれたことも分かった。だからこそ、もっと出来ることがあったのでは…とも思ってしまう。とはいえ、この状況下でここまでの作品を生み出してくれたことには感謝したい。
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