よう

007/美しき獲物たちのようのレビュー・感想・評価

007/美しき獲物たち(1985年製作の映画)
4.0
007第14作。

クリストファー・ウォーケン演じる悪役がよかった。
ロジャー・ムーア版はだいたいの作品で悪役のキャラが立ってる。
ウォーケンのシュッとした出で立ちと異才感がいいのもあるし、ICチップ絡みのシリコンバレー敵視ってのはその当時の時流を踏まえたものかな。犯罪計画もちゃんと酷い(宇宙でどうたらこうたらとかじゃない)。
あと、こいつ、「そこも殺すのか」ってことも平気でやるから、悪役らしさが際立つ。

キャラが立つといえば、メイデイのインパクトも強い。
殺し屋感がすごい出てた。
ファッションは当時らしいものってことなのかなあ。

スノボーシーンでの音楽、選曲の意味をわかってるわけじゃないけど、なんか笑う。

007では珍しい、市民の前で人命救助シーン、よかった。
ボンドがボンド的かっこよさとは別の、普遍的に人としてかっこよく見えるシーンだった。

ボンドガールとの関係性もよかったなあ。
ボンドガールが普通に働いている女性で、女性の職場進出化が進んだ時代ってことなのかなあ。
家で敵集団に襲われた時、ボンドが高そうな壺を使おうとしたら悲鳴を上げるくだり、よかった。それがフリになってのオチが効いてる。ちなみに、猫飼ってるなら、ああいう所に高そうな壺を置いちゃダメよ。

そういや、近くの女性をどう見てるかで、ゾリンとボンドとの決定的な違いがあるのが面白いなと。

ロジャー・ムーアは自身の007の中でいちばん好きじゃない作品らしいけど、自分はこれがいちばんかな。


【付記】
これでやっと007シリーズ全部観た。
まだショーン・コネリーの番外編が残ってるらしいけど。
『ノータイムトゥダイ』鑑賞までに全部は間に合わなかったけど、この機会じゃないと全作観ることはなかった気がする。
アマプラありがとう。
そして、007を演じてきた俳優6人、他のキャスト、スタッフ、ありがとう。
よう

よう