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パンケーキを毒見するの大大のレビュー・感想・評価

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)
3.8
総理就任後、パンケーキ店に記者を集めて懇談会を催したことが話題になった菅総理。



そのパンケーキ会の直前、
菅首相は、部下が書いた台本を丸読みしちゃうほど、超テキトー答弁をしてたよコーナー。



その中で議論されていたのが、
学術会議で推薦された6名の任命を独断で見送った問題



野党は意図的に政党の意向に沿わない人物を排除するために、
前例のない強引な人事を強行したと指摘




⚠️以下ネタバレ気味⚠️


その人事指示を行なった人物は?と問われ、杉田官房副長官の名前をあっさりゲロっちゃう菅総理。



菅総理の生い立ち。庶民派のイメージが強いが、実は父親が超金持ち。
若手時代は、支持層の薄い先生の支援につき一発逆転を狙うがことごとく失敗。



横浜市議を経て衆議院入りしした菅氏は、
携帯料金の値下げなどの政策で、国民に寄り添う政治家のイメージを定着させた



合間に、オールドヤクザチックな博打を仕切る女のカット。
博打がハマり、ついに総理大臣へ。



内閣での部下には、絶対に自分を裏切らない人選をおこなった。

その中のひとりが、学術会議任命問題に大きく関わる杉田氏がいる。



(冒頭のテキトー答弁で、菅総理は、
部下の独断だと切り捨てれば部下の信頼を損なうのも嫌だし、
本来の不任命理由を自分の口からは言いたくなくて変な感じになっていた?)



赤旗という共産党主体の報道機関が、86億円を超える政策推進費が、
使途不明で支出されていることを暴く。



総裁選の時期にも多額の支出があったことから、
カネのばら撒きによって票を獲得した疑いがある。
(安倍総理時代の桜を見る会と似ている事案=自民党の風習?)



大学内の政治関連のサークルで語らっている学生たち。
若者は政治に関心がない。菅総理=パンケーキの人というぐらいしか知識がない。
投票率が低い現状から、学生たちは日本の未来を悲観する。



各世界ランキングのデータ。
GDP、報道の自由度、幸福度など、軒並み低い水準を行っている日本。



みんな投票に行こうね、というお話。



▼いかに国民の多くが政治に興味がなく、
メディアが報じるなんとなくのイメージに
引っ張られているかがよくわかる。

▽パンケーキ関連の何かで話題作れば、若者の票集まるっしょという
甘々な自民党のマーケティング戦略が、わりかし功を奏しているというのが驚き。


▼カネで結ばれた、
自民党とその支援者の強い絆が、変化の足枷になっている。


▼日本の社会派ドキュメンタリーは、ど真面目なイメージがある

▽マイケルムーアをはじめとする海外ドキュメンタリーは、必ずといっていいほど
エンターテイメント性を持たせる意識をもっている

▽本作のアニメ満載の予告編をみたとき、「ついにエンタメ路線の社会派ドキュメンタリーでた!」
と思ったけど、結局真面目なトーンだなと思った。

▽冒頭の答弁のテキトーさ実況コーナーはかなりエンタメ要素満載でいい感じだった

▽結局、インタビューベースの証言で紡いでいく構成が多かった印象

▽ナレーションも、真面目な切り口の語り口で、サウスパーク調のアニメだけが、
際立っている印象。

▽やっぱり、監督かだれかが、表立って体を張って、直撃取材をするとか、
嘘を暴くリサーチした結果を突きつけるなどのハデさを求めていたのかも。

▽今作では、それを暴いたのが映画の当事者ではなく、「赤旗しんぶん」であり、
ひとつのフィルター越しに、陰謀のようなものを見ている感覚があって、
薄味に感じてしまう
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