悪徳芸能マネージャー（井上博一）を殺害した罪で収監された女性（谷ナオミ）が、かつて純愛を与えてくれた歌手志望の青年（村上道夫）との再会を待望する。男に献身する薄幸美人の生き様を描いている、日活ロマンポルノ。
前半部は、主人公が収監された理由をフラッシュバックで綴っていく展開。そして後半部は、主人公と女囚のボス格（渡辺とく子）による、手錠で繋がれたままでの逃走劇。「女囚もの」に必要不可欠な要素が無難に盛り込まれている。
また本作では、「非SM映画の谷ナオミ」を十分に堪能することが可能。男を蕩かす魔性をもっているがゆえの苦悩を、情感に訴えかけてくる芝居で魅せてくれる。夜の就寝時もメイクばっちり。
渡辺とく子のドラマの掘り下げが不十分に感じられるきらいがあるけれども、ラストの急展開は拍手もの。形骸化されていた「女囚もの」からの換骨奪胎が美しい。
