ぱねぇ

裁かるゝジャンヌのぱねぇのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
4.7
古い文献の中に、ジャンヌ・ダルク裁判の様子について誠に細かに書かれた記録があった。カール・TH・ドライヤーは、その記録から得られるジャンヌ・ダルク裁判を、圧倒的な演出力と映像力でフィルムに遺し、史上最高の芸術映画を創り上げた。

アップショットが非常に多く、役者一人ひとりが「眼」や「表情」で演技をしていた。凄まじい迫力と、身を引いてしまうほどの衝撃が映像に乗っており、老人たちの顔に刻まれた皺や、ジャンヌが俯いた時の白く光る美しいまつ毛が印象的だ。そしてなんと言っても、ジャンヌの瞳だろう。吸い込まれそうなほど美しく、目を背けたくなるほどの悲壮感を併せ持つ。

しかし結果的に、聖なるオーラを纏った、類を見ない映像に魅了され、瞬きをすることすらも忘れてしまう。
間違いなく史上最高傑作。
ぱねぇ

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