RyoS

裁かるゝジャンヌのRyoSのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
3.1
徹底的にクロースアップ使ってるのに最初から最後まであんまりストーリー展開がなく、飽きが来てしまう。

とにかくストーリーが鬼つまらない、背景が真っ白なので証明写真のような画ばかり、結果80分も持たない。同じくアップばかりの映画『たかが世界の終わり』を思い出した。手法としては素晴らしいが多用するものではない。サイレントの時代にセリフ代わりにクロースアップを発明し、その表情を捉えて演出したという点では画期的だし成功していると思うが、長すぎると眠くなってしまう。

ジャンヌ・ダルクの首から下はほぼ映らない。それはどこか人間離れした、神格化された存在であると感じられる。でもそれはこの映画でやりたかったことなのだろうか?先ほど鬼つまらないと言ったが、裁判調書に基づいて描かれたもので、セリフもすべてその中に書かれたものだそうで、つまりはできるだけ事実に忠実であろうとしている。首から上が画面いっぱいに映し出され、背景はなく、目線は明後日の方向を見、どこかうつろである。これ以上の非人間的で神秘的なショットはあろうか。
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