黒澤明脚本、エノケン主演による長屋もの。
分かりやすい内容で爽快な気分になれるし、短い話ながらも、キャストのキャラがしっかりと描かれている。
一心太助は、とある長屋に住みたいのだが、保証人がいない為、なかなか貸して貰えない。
そこで太助は、駿河台の大久保彦左衛門を連れて来た為、大家も驚きながら、家を貸す。
妻のおなかと共に借りた長屋を訪れるが、余りにも汚い雰囲気なので、おなかは呆れ返る。
しかし太助には理由があった。
なにやら占いの結果、その長屋に住んで商売を始めれば成功すると出ていた…
エノケンのコミカルなキャラを取り巻く環境が、とても面白くて驚いた。
暗い長屋の雰囲気から話は膨らんでいくのだが、最高のカタルシスを感じられる展開で、本当にスッキリした。
一番最後の絵もお見事で、大変満足した。