ガルベス

東京クルドのガルベスのレビュー・感想・評価

東京クルド(2021年製作の映画)
4.3
故郷での迫害を逃れ子供の頃に日本にやって来た2人の青年の行く末を中心に、難民認定率1%の日本の実態と入管の収容者に対する差別的な行為を明るみとさせるドキュメンタリー映画。

5年に渡る長期取材の中、一向に難民認定が下されずひたすらに人権を無視されたかのようにしか扱われない被写体のラマザンとオザンの様が切ない。

健気に努力を続けるラマザンと自暴自棄になりかけるオザン。
彼らはいつ入管に収容されるかも分からぬ恐怖に怯える日々を送る。

長期収容されているラマザンの叔父が体調不良を訴え家族が救急車を呼ぶも門前払いされるシーンは、今年3月収監中に亡くなったスリランカ人女性のウィシュマさんのニュースを思い起こさずにはいられなかった。
さらには彼らに対する入管職員の居丈高な振る舞いも垣間見られるなど日本の入管の異常さを把握できる。

彼らがまともな青春や普通の暮らしもままならないよう放置している国が、おもてなしやら多様性とか言い放つのはちゃんちゃらおかしいしいい加減にしろよなと思った。
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