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ONODA 一万夜を越えての2秒前のレビュー・感想・評価

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
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前半は文句なく面白い。部隊の人数が段々減っていく最初こそは凄惨な撤退戦とサバイバルが主軸かと思ったが、部隊が主要な四人で固まると地名付けのシーンなどで遊戯性さえ醸し出す余裕が出てきて風通しが良い。突発的に始まる銃撃戦も小規模ながら確かな活劇の手応えがある。
短いながら陸軍中野学校で当時の軍人精神とは異なる教育を施されるシーンがあるのは嬉しいところ。迎えに来た日本人たちの雑誌や新聞から都合のいい“真実”を解釈するシーンの可笑しさとそこからの青き日々の最後となる海水浴のシーンは白眉。
ただ他にも指摘している人がいるように後半で小野田を演じる役者が変わってからは少し心が離れてしまった。確かにシワのよった肌や顔は経過した年月を感じさせるが、このもっともらしさは映画に必要なのだろうか。そのせいか小野田を帰国させるくだりも段取り臭く感じてしまった。
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