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ノイズのSSDDのレビュー・感想・評価

ノイズ(2022年製作の映画)
3.8
■概要
猪狩島は過疎化した島を黒いちじくの農園を名産として人を呼び込み助成金を得ようとしていた。そんな中元受刑者の男が島を訪れ不審な行動を始めてしまう…。
この男を追って平和だった島に警察も訪れ、不穏な状態になっていく…。

■感想(ネタバレなし)
予告から観たかった作品。過疎化した島の島社会と犯罪という題材は、島全体が密室トリックの舞台となってしまう感じがあるので昔からミステリー物では島系の話は好み。
キャストも主演二人はもちろんなかなかいい布陣で、楽しめた。
終盤間際で展開は読めたが逆に最後のシーンなどは謎が深まった。
ネタバレ厳禁だと思うのであまり詳しくは書かないが邦画はサスペンスが一番好みだと再認識しました。










■感想(ネタバレあり)
一度目の殺人ですぐに真相を話せば終わりになるはずが、島で起きた殺人とあっては注目度の高い状態では助成金など夢のまた夢と島を守ろうと決めた3人の決意は偽りはなかっただろう。

ただ、2日目で男が殺人を犯し逃げていると推察されていることがわかった時点で親友の思惑は傾き始めた気がする…。

主人公は全て親友の胸中を理解していたし、塀の中の時間で何度も反芻し明らかに親友の思惑を理解したはずだ。
妻が見せた娘の絵の最後の一枚は何が書かれていたのだろう。

まさか見せずに終わるとは思っていなかった。予測では妻が、親友が密告者であることを告げたのだと思うが今まで親友の心中を無視したツケと信じてあげてくれと言える主人公の強さが素晴らしかった。

しかし途中の町長の狂い方や、ボケた老人との死闘のシーンはいい意味で笑ってしまった。淡々と進む中あの劇的に転がり落ちる流れは面白すぎる。

なかなか淡々としている作品だが島の美しさが映えて、非日常的な不審者や死体遺棄などの行為がコントラストが強くなりより不気味に見えるのが良かった。
恐怖心やスリリングさを楽しむというより壊れた日常と取り繕う座りの悪い違和感を楽しむというのが醍醐味な気がしました。
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