カツマ

フィアー・ストリート Part 2: 1978のカツマのレビュー・感想・評価

3.9
記憶の扉が開かれる。凄惨さは倍増し、街の呪いは増殖する。刈り取られていく若者たち、追いかけてくる殺人鬼の影。呪いの正体が明かされた時、稲妻は不気味な光を帯びてキャンプ場を包み込んだ。呪われるのは誰?殺されるのは何故?その謎を解き明かすため、再び姉妹のほつれた糸は紡がれる。

Netflixがお送りする真夏のホラー映画3部作『フィアー・ストリート』シリーズの二作目!本作は一作目の猟奇殺人事件の約20年前に起きた、キャンプ場での凄惨な大量殺人事件を描いており、シェイディサイドの呪いの根元を探究する物語となっている。かつてシェイディサイドの呪いから逃れたことのある女性、彼女はどんな経緯で生き残ることができたのか?元ネタは完全に『13日の金曜日』であり、かつてのホラー映画の王道を直進するような続編だった。

〜あらすじ〜

ディーナとジョシュは魔女に呪われたサラを救うため、かつて魔女の呪いから逃れた女性シンディ・バーマンの家を尋ねた。突然の訪問に難色を示すシンディだが、ディーナらと言葉を交わすうち、過去にあった悲劇的な事件を回想するようになり・・。
1978年、シェイディサイドとサニーヴェイルによる合同キャンプ地にて。破天荒な少女ジギー・バーマンは、サニーヴェイルの女子たちから陰湿ないじめを受けていた。そんな彼女の話し相手は保健員のメアリー・レーンだけ。だが、メアリーは娘のルビー・レーンが殺人を犯したことで、キャンプ場の子供たちからも噂される人物であった。
一方、ジギーの姉、シンディは理想的な彼氏トミーと共に、妹の行動にヤキモキしながらもキャンプを楽しんでいた。そんな折、メアリー・レーンがトミーを刺し殺そうとする、という事件が起こる。メアリーは娘と同様に殺人を?シンディは豹変したメアリーに何が起こったのか探ろうとするも・・。

〜見どころと感想〜

Part1の謎が随所に解かれていく、キャンプ場を舞台にした連続殺人事件を描いたPart2が登場。Part1で現れる連続殺人犯の名前も出てきており、そのあたりとのリンクも狙いすましたようで面白い。基本的には『13日の金曜日』まんまなので、斧を振りかざす狂人が、小さい子供だろうが何だろうが関係なしに殺しまくるストーリーとなっている。そこに潜む魔女の呪い。シェイディサイドに眠っている悪夢の根幹へと肉薄し、1994年のディーナらへバトンを渡していく展開もだいぶ熱い。

出演はPart1からガラリと変わり、ディーナやジョシュは冒頭とラストのみの出演。代わってメインを張るのが、『ストレンジャーシングス3』に出演のセイディー・シンク、『ウォーキングデッドワールドビヨンド』のテッド・サザーランドら、まだまだこれからが楽しみに若手俳優たち。メインキャストにスポットライトが当たるよう上手く作られているため、物語の軸になる登場人物の顔はすんなりと覚えられるだろう。

このシリーズは大雑把のように思えて、実は緻密に伏線が貼られていて、Part1から時間が遡ることで、謎の回答が少しずつ得られるようになっている。ルビー・レーンの母、メアリーが調査したメモから、シンディ姉妹らがシェイディサイドの災厄に肉薄、それはPart1の回答とプラスすることで完成する。Part1、Part2、それぞれ異なるホラー映画をオマージュし、ベクトルの違う王道を示し、懐古色を爆発させる。どこかで見ている物語なので新しさはない。だけれども、ホラー映画の構築美を愛している映画ファンにはとにかく楽しい。

Part3ではさらに時を遡り、サラ・フィアーの生きていた1666年へとタイムトリップ。果たしてどんな大団円を見せてくれるのか、Part3までキッチリと追いかけていきたいと思います。

〜あとがき〜

『フィアー・ストリート』シリーズの二作目は、『13日の金曜日』などに代表されるキャンプ場での残虐な連続殺人事件、というホラー映画の王道をぶち抜くストーリー。なので、内容的にシンプルでエンタメ性も抜群。あまり考えずに楽しんでほしい作品となっています。

グロ描写は強くはないですが、虫がダメな人にはややキツいシーンがありますのでご注意ください。まだまだ解かれていない謎が山積するこのシリーズ、Part3がどんなオマージュを見せるのかにも期待していきたいですね。
カツマ

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