このレビューはネタバレを含みます
『死霊のはらわた』シリーズ、最新作。
いつもの森の小屋から飛び出し、今回の舞台となるのはアパートの一室。
登場人物も若い男女からシングルマザー親子へと変わり、シンプルに目新しいものがありましたね。
既に森を舞台にしたリメイク版(2013年)も作られていますし、マンネリ感を打破する為にも良いアイディアだったのではないでしょうか。
物語的にはいつもの様に、悪霊を不意に呼び出し、その悪霊に取り憑かれた人間が人々を襲う様子が描かれます。
正直、恐怖を感じる様な場面はほとんどなかったんですけど(チーズ削り器の件くらい?)、逆に思わず吹き出してしまう様な瞬間があったりもして。
ホラーの中にユーモアを潜ませるのは、オリジナルの『死霊のはらわた』とも通じる部分で好感を持てました。
敢えて不満点を挙げると、大人の主人公は要らなかったというか、悪霊(母親)vs子供達の戦いにしても良かったかなと。
「そして母になる」的な成長を描きたかったのでしょうが、あんまりピンと来なかったし、子供だけで戦った方が、これまでにはない新しいアイディアが生まれたかもしれません。
そんなわけで、個人的には可もなく不可もなくな出来でしたが、本作がヒットした事でシリーズの未来が明るくなった事は確かでしょう。
舞台や登場人物を限定する必要もなくなったし、ネクロノミカンと悪霊に取り憑かれる人間さえ用意すれば、後はある程度自由に作れるはず。
実際、次の新作はフランス人監督が撮るという話もあり、今後の展開が楽しみです。