DaiOnojima

スターダストのDaiOnojimaのレビュー・感想・評価

スターダスト(2020年製作の映画)
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「ジギー・スターダスト」になる前、ちょうど「世界を売った男」のころのデヴィッド・ボウイを描いた劇映画。新作のプロモーションで渡米するもののアメリカでは全く無名なうえに理解者もなく、おまけに心を患った兄テリーのことも心に重くのしかかり、自信を失いかけていたときに、同行していたマーキュリー・レコードのパブリシストの何気ない一言がヒント(というか伏線、か)となり、ジギー・スターダストとして華々しく再生するまでを描く。

 アーティストの伝記なのにそのアーティストの曲が全く使われないのは、ザ・スミス結成前のモリッシーを描いた「イングランド・イズ・マイン」とかカート・コベインが自殺する直前の1週間を描いた「ラスト・デイズ」みたいな例があるけど、この映画はボウイとしてバリバリ活動している時の話だから、全くボウイの曲が使われないのはやはり苦しい。しかしそれよりも、ボウイ役の俳優が全く似てない(マーク・ボラン役はもっと似てないが)どころか、ただの冴えない華のないアンちゃんでしかないのはもっと問題でしょう。

ボウイとパブリシストが2人、オンボロ車に乗ってアメリカ各地をプロモーション・ツアーするロード・ムーヴィー風な描写が映画の半分以上を占めるけど、これはなかなか面白い。お話も、ボウイファンならなるほどなるほどという感じで、意外性や驚きはないが納得ではある。だから着想と脚本は悪くない。なんだけど、一番肝心なボウイさんの見た目と音楽がこれがなので、気にする人は多いでしょうね。