雪野

スターダストの雪野のレビュー・感想・評価

スターダスト(2020年製作の映画)
3.0
David Robert JonesからDavid Bowie・Ziggy Stardustになるまでを描いた作品。

今年戦メリの4K修復版を観てまんまとDavid Bowieにハマってしまった私が何としても観たかったこの作品…だったのですが、期待しすぎたかもしれない。

遺族からの許可が降りなかったとかで楽曲が使われず、ボヘミアン・ラプソディのようにBowieの音楽に浸ることができなかったのが残念。(アルバムや曲の話が大半なのに肝心な音楽が流れないのは致命的じゃないか…?)

俳優さんの演技は悪くなかったですが、Bowieの妖艶な美しさを再現出来る人はこの世にいないな…と思いました。

今作では、アルバム「The Man Who Sold The World」を踏まえてこれからBowieの何を売り込むのか、David Bowieとは何者かを追求していく過程での、挫折や苦悩が描かれていました。なので全体的に暗く陰鬱としています。ファンでない人が観るのは少し退屈かな…。

煌びやかな時代のBowieから入ったので、精神疾患を患って苦しむお兄さんを見て、自分も近い未来そうなるかもしれないという恐怖と戦っていたことや下積み時代の苦悩を知れたことで、1970年代前半の楽曲の聴き方が変わりそう。

いつZiggy出てくるんだ?と思ったら最後の最後だったのと、突然2,000人キャパを埋められる人気を得たBowieに話が移ったので雑だなと思いましたが、今作はそこがメインストーリーではないのでしょう。

ただ、観終わった後はさらにBowieの声が聴きたくなったし、過去のことももっと知りたくなりました。
なにより2022年1月には Ziggy Stardust発売から50年を記念して『ジギー・スターダスト』が公開されるので、事前知識としてこの映画を観ておいて良かったです。
雪野

雪野