私が尚です

スターダストの私が尚ですのレビュー・感想・評価

スターダスト(2020年製作の映画)
3.7
1970年代、一大センセーションを巻き起こし、以後永遠のロック・アイコンとなったデヴィッド・ボウイ。
母国イギリスで既にスターだった彼が、アメリカに打って出ようと1971年に行ったアメリカでのプロモーションツアーを焦点に当てた物語。
母国では既にヒットを飛ばしていたものの、アメリカでは全くの無名のシンガー。
ボウイの音楽はセンシティブであり、非常に陰鬱な雰囲気を纏っていた。
真っ直ぐで情熱的なメッセージソングを好む当時のアメリカの気風には合わないと判断され、冷遇される。
そんな中でボウイが辿り着くのが後に歴史的名盤と称される事になる『ZIGGY STARDUST』だった。

華々しいイメージの強いデヴィッド・ボウイですが、この作品で輝かしい瞬間はラストまで訪れる事はありません。
恐らく敢えてそういうシーンは割愛しているのだと思いますが、それが当時のアメリカから見たボウイという存在を表現していて面白かった。
音楽を根っからのエンタメと捉える現代のビジネスモデルとは異なった視点は当時を生きていない自分としては非常に違和感がありました。
キャラクターを作って音楽表現をしているミュージシャンが少なく、受け入れられない時代があったんですね。
それどころか、そんな表現の仕方が統合失調症を疑われる原因でさえあるとは…

この物語が一体どれほど史実に基づいているかは不明ですが、彼がアメリカに行き、その文化に触れてその後を決定付ける活動を展開していくのは紛れもない事実。
その様に考えると面白く観られると思います。
ただ、ちょっと暗い作品であるのは間違いありませんので、派手で面白おかしいと思って観ると肩透かしを喰らいます。