茶一郎

すべてうまくいきますようにの茶一郎のレビュー・感想・評価

4.0
 ゴダールがスイスに渡り死を選んだ昨年を思い出す。「この人生を終わりにしたい」父の最後の願いを叶えるために奔走する娘たちを描いた一本。
 フランス(国旗の色、青と赤のカラーが映画全編を支配)では尊厳死が認められていない……協会の審査を受け……スイス行を手配して……自死を援助した事が判明すると逮捕されるので……等々、かなり淡々とリアルに「尊厳死」のプロセスを描いていて驚いた。かと言ってドライ過ぎている訳でもなく、コミカルさもあり、感動的だがウェットすぎない、主人公と適切なカメラの距離感を保った優れたバランス感覚が光る。フランソワ・オゾンは本当に手数が多い、何でも撮れる。【記録】
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