もう終わりにしたい、と願う父に悲哀や憤り、少しの理解で寄り添う家族。延命による生に無関心でむしろ死を待ち侘びる頑固さに哀しみと可笑しみが入混じる様な…自ら死を選ぶ父の平静と様々な感情に当惑する姉妹の姿を冷静に、そして深い愛情で見つめる。
めちゃ好き！
これまで利己的に生きてきたのが端々からも窺える父アンドレが死に対しても受け身でなく、決定権を握ろうとする。そんな身勝手にウンザリしながら、それでも愛してしまうエマニュエルら姉妹の心情描写も細やかだし、疎遠な母や孫の存在など一貫して抑えたトーンでドラマを上質に彩るオゾン風情w
フランスで禁止されてる安楽死の是非を問うといった感じでは無く、あくまでグレーな部分を残しつつ家族の感情的な物語を綴る。
〝すべてうまくいきますように〟の漠然とした言い回しが家族の揺れる想いを物語ってるし、死を描きながらもどこか滑稽さも漂う深い味わい。
ソフィー•マルソーも素敵でした
シンプルな話のようで安易に涙は誘わないし、少ししか出て来ない孫娘のドライな言葉とかさりげないリアルが堪らなく好き。
誰にも愛されるような良い父親ではいけど…なメロドラマに流れない絶妙な塩梅。なのに泣けたしw父の傲慢から溢れる可愛げにも魅了された。
アンドレ・デュソリエが素晴らしい！
