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英雄の証明のおっとっとのレビュー・感想・評価

英雄の証明(2021年製作の映画)
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“大好きです!”と手放しで絶賛してきたかつてのファルハディ先輩の映画は、悪夢にどんどん転がっていく中で、
同時に「誰を信じればいい?」「誰の為の真実で」「己にとっての真実とは何か」
という普遍的でありながらも、ある種のミステリーをいつでも抱えていたと感じていました。

しかし今回の作品とヨォ、言ったらヨォ、
完璧に巻き込まれ型で、もう真実もクソも、「えぇ、俺は別にそもそも、初めからこんなことを考えてたわけでは」という主人公が不憫でならない。
別に誰かの利益や(いや、あるにはあるけど)莫大な企みなどがあるわけでないからこそ。

友人に言ったら笑われたけど、「可哀想すぎて、私が主人公なら自殺を選ぶ」という言葉が出てくるほど、“不幸そのもの”に対しての同情じゃなくて“主人公であるにも関わらず、自分の人生のハンドルを握れてなさ”に同情した。

脚本はそれこそミニマルでしたし、映画好き気取って「これはアップダウンの映画でぇ」とか書こうとしたけど、階段は当初印象的に使われてましたが、ただ使いたかっただけだろうなという感じだったので、特に言及しません
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