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英雄の証明のsnatchのレビュー・感想・評価

英雄の証明(2021年製作の映画)
3.9
大人の嘘や保身、誤魔化しがまた並ぶ…自分もどこかで…
それを見ている子どもたち
主人公の息子があそこに加わらなければならなかった場面が一番つらかった。

私は、この監督が作る徐々に突き上げていくこんなはずではというジタバタ最骨頂へ向かい、自分もぐしゃぐしゃと巻き込まれていくうねりが好きなのです😱この監督さんの作品、初めて映画館で観られた。嬉しい。
1人1人、人物描写がトコトン入念。隙の無い綿密な演出にやられる‼︎🤩
自然に浮かび上がってくる導入部 一つ一つ石を積むように変わっていく空気の流れ。
今回は、ほとんど日本と変わらないようなゲームとSNSも混ざり込んできた!そうなると、人間劇が薄まるのではと思ったが、慌てふためるのは協会や刑務所の方。

彼の本望はお金が欲しい。借金を返して塀の中から出て愛する恋人と一緒になりたい。金貨が盗まれたのなら犯人を見つけたい☜誰の金貨よ😬見つけられないのなら職が欲しい…主人公がもがけばもがくほど甘えてきた人生のツケがどんどん溜まって跳ね返ってくる。人間、簡単には変化できないところも微細に描いていく。でも見渡せば完璧な人間なんて何処にもいない。

この監督の映画を伝えるのに文字では実に表しにくい。映画全体を10度20度30度って少しずつ傾けていく。その迫り方は体感するしかない。

英雄の証明って、じっと見つめていた息子のことをも思った。誰もが、右往左往する父から離れていく中で、彼はただひたすら自分の父親を見つめているのである。父もやっと応える…
この監督さんに出てくる子どもたちはいつも悲しいほどに愛情を欲し、いつも監督さんが影から愛情を静かに注いでいる…
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