東朴幕院

レッド・ロケットの東朴幕院のレビュー・感想・評価

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
3.9
『フロリダ・プロジェクト』のショーン・ベイカー監督の新作。公開始まってから暫く経ってしまったが漸く鑑賞。
ロサンゼルスでポルノスターとして活躍していたマイキーは、トラブルに巻き込まれたかで無一文同然となり故郷のテキサスに帰って来たが、そこに残して来た妻の家に居候し後繰り広げられる人間模様を描いている。
何といってもマイキー演じるサイモン・レックスの体現するしょうもなさが最高にフィットしている。また掴みの妻と義母との噛み合わないやり取りも結構笑えるもので好感持てるね。
それが次第にマイキーという男の性懲りも無い性格が見え隠れして来る件は本当に最低と思えるものばかり。そしてバチが当たったかの様な局部丸出しでの逃走劇(笑)。全く感情移入出来ない主人公の行為を見せつけられ一体、何を見せつけられているのか?と困惑してしまう程。
そして新鋭、ストロベリーを演じたスザンナ・サン。彼女の魅力は本作を一段上げたと言っても良いレベルだ。それだけにマイキーの口説き方のどうしようも無さとの対比になって良かった。
レッドネック層のちょっとしたチャンスに乗っていく貪欲さというか退屈な日々を過ごしていそうな雰囲気も十分伝わるし、ロニーの軍服問題など寂しさも十分に感じられた。
マイキーだけはどうにも看過できず、ラストシーンの後もしょうもない展開が繰り広げられるのかと思うと苦笑しか出て来なかったね。
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