JP

レッド・ロケットのJPのレビュー・感想・評価

レッド・ロケット(2021年製作の映画)
3.7
「Bye Bye Bye」のハイテンションな開幕、そしてその劇中での再来が◎
開幕ではそれがぶった斬られるところまで含めて◎

ずーっと一人で喋り続けるマイキーのウザさが、後半の沈黙を際立たせる。
ドーナツ屋さんにどんどん現場作業員のおっさん達が注文に来たり、ジェットコースターで真顔になるマイキーとか、ストロベリーの驚異的な弾き語りの才能を目にして真顔になるマイキーとか、コメディのセンスがすごく良い。

ラストカットはマイキーの見た幻に思える。これだけサイテーな主人公なのだが、あの希望と取れなくもないエンディングにしたのは、監督の優しさと、マイキーの業と性の肯定なのだと思った。
マッチョイズムの愚かさを描きつつも、仕事が見つからない場面では悲哀も感じてしまうし、社会不適合者を美化もせず、真っ向から描いた良作に思えた。
JP

JP