ストロベリーことスザンナちゃんにイチコロ。インスタ爆速でフォローした。パンフによると、ベイカー監督が映画館でスカウト(ナンパ?)した子だそうな。このキャスティングが本作最大の成果だ。
ゴキゲンな映画のふりをして、蓋を開ければ底知れぬ虚無が広がるのは『サタデーナイトフィーバー』に似てるな。
テキサス郊外の景観がかなりしんどい。化学工場もハイウェイも文明の産物だが、「文化」がカラカラに干からびている。周りにいるのはヤク中やら売人やら詐称軍人やらで、まあ救いようがない。
そこに一縷の光のような美少女ストロベリーが現れたら、そりゃあ蜘蛛の糸を掴みたくもなる。ただ見終わって考えると、ストロベリーが実在していたのかすら怪しく思える。服装は文句なしにキュートで似合ってもいるが、いくらなんでも露出度が非現実的だ。ストロベリー邸のビビッドな外観もだいぶ戯画的だし。彼女の性的好奇心の旺盛さには脳髄レベルで興奮してしまったが、結局は男がポルノグラフィに投影するファンタジーの鏡像に過ぎない。
ラストシーンは、三島由紀夫の『豊饒の海』を彷彿させるような虚無。
作中で唯一正気を保っていたのは、ドーナツ屋の店長さんくらい。彼女の存在が何気に気になる。「ポン引きヒモ野郎」(訳者に座布団100枚!)とストロベリーちゃんとの逢瀬を、いったい何を思いながら見ていたのだろうか。店長目線のスピンオフを見てみたい。ちなみに演者は映画プロデューサーの鄒時擎さんで、台湾出身らしい。
※レッドロケットとは、発情していきり立った犬のtintinのことらしい。辛辣!