kyoko

ニトラム/NITRAMのkyokoのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
3.8
根本的に銃を規制すれば済む問題じゃないとはいえ、まるで洋服でも選ぶみたいな気軽さで銃を売り買いする場面には心底ゾッとした。

何が正解だったのかあるいは間違いだったのか、父親と母親の対応が真反対なゆえ容易に答えは出せないし、被害者にとってはいまさらなんの意味も持たないことかもしれない。それでも、彼が何よりも欲していたものは「尊厳」であったこと、そしてそのことを彼自身が認識し、親もまたそれを正しく理解できていれば、結果は違っていただろうことは胸に刻んでおきたい。

96年の発生から四半世紀ほどしか経っておらず、被害者の記憶がまだ生々しいことに対する配慮も感じられ、過激さを求めた実録ものとは一線を画す作品。
kyoko

kyoko