SEの使い方がとにかく効果的。
音量の強弱とか絶妙で今にも暴力的な事が起こりそうな空気感を醸しつつ、ストーリーテリング的には主人公は暴力に訴えないだろう、と思わせる演出が続く。
それがヘレンが死んでから徐々に怪しい雰囲気に。ハエ?ハチ?のようないやなSEで完全に死亡フラグが立つ。
母親は完全にコントロールマザー。父親は一見優しく見えるが弱い父性の権化。そこに唯一ありのままの彼を受け入れる女性が現れる。
そりゃそうなるわな、そうなるわな、と思いながら、あの帰結は当然だなと思いました。
観客が終盤まで緊張感を強いられてきたなかで、殺人シーンを遠景ショットなどで見せない演出にしたのも好感が持てる。
カンヌで主演男優賞を受賞したのも納得。