りょうすけ

ニトラム/NITRAMのりょうすけのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
4.0
「ニトラム/NITRAM」

個人的に今一番注目している監督の1人であるジャスティン・カーゼルの最新作。劇場で見逃したのでU-NEXTでレンタルして鑑賞したがこれがまた傑作だった。

精神疾患を持つ主人公マーティンがオーストリア史にも残る銃乱射事件を起こすまでの物語。最近銃による事件が日本でも他人事ではないことを実感させられたばかりだが、どのような心理状態で人は銃を間違った方法で使用してしまうのかについてじっくりと描いてるなんとも濃厚な2時間弱の映画だった。

カーゼルは前作「トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング」においても出身国であるオーストラリアを題材に選んでいたが、マイケル・ファスベンダーと組んでいた「マクベス」及び「アサシン・クリード」よりもこちらの路線の方が合っているのかもしれない。

個人的に「マクベス」は悪いとは思わなかったが実際の事件とかオーストラリアにもっとフィーチャーした内容の方が個人的には好み。

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズも今まではそこまで注目している俳優ではなかったがあまりにも演技の凄さに圧倒されてしまった。元々、風変わりな彼だがこの手の役をやらせたら右に出る者はなかなかいないかもしれない。

終盤、鏡に映る自分を見つめ口づけをするシーンがすごく印象的だった。
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