このレビューはネタバレを含みます
何の前情報も無く鑑賞。
花火という危険を孕む玩具で怪我をし、そこでの反応の特別さが印象的な最初のシーン。
それが”種”となり、主人公が感情的になる度に、痛みのような危機感が襲ってくる。
怒りや混乱を起こす出来事は、常人でもかなりのストレスを感じるものばかり。
感情を抑える事が出来ない主人公を観ながら、無感情でいるべき事の異常さも際立つ。
それが銃乱射事件という、擦り倒されたネタに集約していく。
しかし、銃殺シーンでショッキングさを強調するのではなく、その惨劇は頑者の想像に寄らせるという手法。これが一番効果的だという発見があった。
このような、想像できる余白は良い。
それでいて、恐れを感じる程の演技が目を惹きつけて離させない、まさに映画という媒体の凄みがある作品。
クライマックスへ迫るにつれ、主人公の感情がどんどん落ち着いてくるのが後を引く。