磨

インフル病みのペトロフ家の磨のレビュー・感想・評価

インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)
3.5
衝撃的なタイトルが印象的なロシア・フランス・スイス・ドイツ合作映画。

舞台は2004年のロシア・エカテリンブルク。インフルエンザを病んだペトロフという男が、高熱にうなされ妄想と現実の間を行ったり来たりする物語。
誰か“咳カウンター”数えてくれと思うほど冒頭からコホコホケホケホ咳払いの嵐、感染症が流行するロシアが舞台という超絶時事映画。

いきなり、現在世界で最も有名で最も嫌われてるであろうあの独裁者(みたいな上級ロシア国民?)が射殺される。「は…何?どう言うこと?」と、この世界にハマり込む。
長回しシーンやアニメシーン、エゲツないドロップキックにグッチャグッチャに殴る暴力シーン、生々しいエロシーンはあるわで、なんでもありの世界観は主人公と同じく真実か虚構なのか理解不能に陥りそう。
正直言うと個人的に全く消化できてない。
このスコアも便宜上中間にしただけで、複数回観れば確実に評価が分かれると思う。もっと上かもっと下かどちらか(笑)

ひとつだけ言えるのは〈夢〉ってこんな感じよな…を具現化した作品。アート的であり哲学的にも感じる、ロシア映画とフランス映画のいいとこ(人によっては悪いとこ)取りのような映画だと思う。


昨年のカンヌ国際映画祭でフランス映画高等技術委員会賞を受賞。怪作レベルでは「TITAN/チタン」を上回ってるかも?昨年のカンヌのいい意味での混沌さ具合が面白すぎ(笑)
磨