70歳のオーディアール監督だからこそ、若い人の感情を大胆に描けたのかもしれない。リアルなのにみずみずしい作品だった。脚本はセリーヌ・シアマとレア・ミシウス。シアマが監督だったらこうはならないだろうな。
パリといってもオシャレなカフェやセーヌ川、エッフェル塔も出て来ない。普通の住宅街を舞台に繰り広げられる多国籍な4人の恋愛模様。
SNSを通じて知らない人と安易に出会い、体のつながりは簡単に持てるけど自分の本心をさらけ出すのは苦手な世代。4人はみんな心に傷を負っているのに癒やせずにいるし、寂しいことに気づこうともしないように見える。でも次第に自分の居場所に気づいていく。
モノクロームがセックスの生々しさを打ち消し、感受性を投影したような美しい映像が心地よい。
心から求める人とつながれる多幸感が画面から溢れるラストにときめいた。
スカイプしながら深まる女性2人の関係性がピュアで素敵だった。シアマ色だな〜