sashaice

わたしは最悪。のsashaiceのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.5
人間は誰も完璧じゃない。
第94回アカデミー賞ノミネート作品。国際長編映画賞をドライブマイカーと争った作品ということで気になって見てみました!『テルマ』で世界を驚かせたノルウェーの奇才ヨアキム・トリアー監督のオスロ三部作の最終章(06,リプライズ、11, オスロ、8月31日)。こっちも傑作でした!✨まさに尖ったユーモアに溢れた革新的な"大人の"ロマンティックコメディ💕現代のオスロにおける愛と意味の探求についてのドラマ。ユーモラスで、ほろ苦くて、時々心を打ち砕く様々な感情が織り交ぜられていて、女子目線でこれ以上無いほど共感できる作品でした。後半にかけてずっしりと重い。恋愛という複雑難解な海を旅し、キャリアパスを見つけられずに苦労している若い女性ジュリーの波瀾万丈の4年間を全12章立て+プロローグ、エピローグで描く。
感じたのはどんなに賢い人も人間はみんな完璧じゃないということ。衝動的で気難しい女性の方向が定まらない難しい人生についてでしたが、概ね誰にでも当てはまると思います。他人のことは分析できるのに自分のことは決められないタイプの主人公ジュリー。(ジュリー役のレテーナ・ラインスヴェがめっちゃタコダジョンソンに似てる!)頭が良く、典型的な優等生で自信家だけど自分の向かう方向には自信が持てずにこれまで何度もキャリアパスを変えてきた。ジュリーが結構一言多いタイプでヒヤヒヤした!トラブルメーカーとはいかないまでも波風立てがち。男性に対しても典型的な"womansplaining"で理論屋な上に、彼氏のことを"早漏で勃起不全で若い女に夢中"とか言ってしまうタイプの難癖のある女性。女子にも嫌われるタイプで、周りの女性たちと問題ばかり起こす。権威あるグラフィックデザイナーの44歳の年上彼氏と順調に行っているようにみえて、子供を持つ持たないなど今後の人生の価値観が違うことで内なる葛藤を持ち続けていた。彼氏のエクセルは"何が問題なんだ?他の女性と子供を持つより、君と子供無しで生きる方がいい"と問いただすけど、、いや、そういうとこなんだよな🤦🏻‍♀️って思ってしまった。。もちろん価値観の違いもあるけど問題って複合的に蓄積されたもので、誰が悪いとかもなくてそこが恋愛の難しいところですよね。自分のことを決められないジュリーが混乱をきたす彼氏との時間を止めて一人で街へ繰り出し、初めて決断を下すシーンの演出もよかった!"Yes i do love you, and i dont love you."が恋愛の一言では言い表せない複雑な感情。誰にでも当てはまる普遍的な人間の機能不全。
お互いトイレ姿を見せ合うのは普通のカップルがよくやってることかもしれないけどあんまりこういう場面を切り取って作品に入れないよねっていう場面が時々出てきて面白かった。アイヴィンの元カノが際どいアングルとお尻見せてるのに嫉妬して"それはヨガだよ"は笑う。プロローグと、Chapter2のCheating、Chapter5 BAD TIMING、Chapter7 NEW CHAPTER、Chapter8 JULIE'S NARCISSISTIC CIRCUS(衝撃の演出)が好きでした!北欧らしくさりげなく環境問題も挟んできてました。

メモ:
Mansplaining
Womansplaining
it's a combination of things, not just that.
Felt like the world's worst person, but couldn't resist.
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