映画ファン

わたしは最悪。の映画ファンのネタバレレビュー・内容・結末

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

30歳を迎えたユリヤの人生への焦燥感や浮気心、様々な感情や成長を序章、1〜12章、終章の14パートの構成に分けて描いていく映画
40代のアクセルのアナログ的な考えと上手く噛み合わないミレニアム世代のユリヤ、フェミニストに芸術にも規制を求められ表現の自由を訴えるアクセル、他にもSNS、MeTooなど現代社会への皮肉や風刺もとても盛り込まれていた
前半のちょっとバカバカしいアイヴァンとのやりとり、ユリヤとアイヴァン以外の世界が静止し他のものは全く見えてないと思わせるような演出、中盤のハイになりダボダボの身体で赤子に乳を与えている幻覚をブラックコメディ風に描いていくが終盤のアクセルの訃報を知り今までの作風からは信じられないくらい暗くダークに景色まで真っ白になっていく様これらの演出や要素を支離滅裂にせずしっかり一本の作品として成り立たせここまで視聴者の感情も萎えさせず最後まで揺さぶり起こしてくれるのは映画史に残る名脚本の業とも言える(それだけに脚本賞を惜しくも逃したのが非常に残念)
映画ファン

映画ファン