Sayawasa

わたしは最悪。のSayawasaのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.5
20代後半女子ブッ刺しにきてる…!

前情報ほぼなし、全く期待せずに行ったら(特に期待してなかったこともあり)おもしろくて…久しぶりにパンフレット買った。
よくよく調べたらドライブ・マイ・カーとアカデミー国際映画長編賞を競った作品だということで腑に落ちた


・「私の人生はいつ始まるの?」
・「自分が物語の傍観者みたい」
・タバコの煙を吸い込む、キスシーンではないキスシーン(美しすぎる)
・「きみはなにかを待っているように見える」
・言葉で論理的に説明したい彼と、輪郭のない曖昧さを感じていたい彼女
・「愛してるけど、愛してもいない」
・ストップモーションの名シーン(特殊効果なしだったらしい)
・コーヒーを握りしめながら、庭のテーブルで近況報告
・「一番大切な関係だった」
・「ひとつだけ後悔があるとすれば、君に自信を持たせてあげることができなかったこと」
・カラーグラスを通じた写真撮影
・「アパートのあの部屋で、君と幸せに生きたい」
・部屋で涙ながらの抱擁
・「あなた、要らないでしょう?」「大丈夫、ゆっくり考えよう」
・「わたし全然上手く演じれなかった」「じゃあ、その感情のままで」


全編通してオスロが美しすぎた。いつか巡礼したい。オスロ駆け抜けたい。
ドイツで過ごした時間を思い出した。


最後の方は、訳もわからず泣いていた。本当に自分でもなんで泣いてんのかわかんなかったけど、泣けた。アクセルの真っ直ぐさに打たれたのか知らん。久しぶりになんで泣いてんのかわかんなくなる映画見れた。
ハマらない人は本当にハマらないと思う。


主人公はchildish だ、と感じつつ、何者かになりたいと願う自意識の暴走、父親のトラウマ、自身を肯定しきれずかといって受け止めきれず投げやりになる感じがヒリっとした。
大人になる年代ってどんどん後ろになってきてる気がする。それも時代なんだろうけど。パンフレットの監督のインタビューがよかった。

「大人になることについての映画ですが、まだ大人になりきれていないと感じている大人のための映画でもあります」