ピートロ

わたしは最悪。のピートロのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.2
観終わったあとのなんともいえない充足感。
これぞ他人の人生を味わうという映画の醍醐味。
地頭は良いが新しいものに目移りしがちであっちにふらふらこっちにふらふら、熱意や焦燥はあるが目的や目標がわからない、そんな三十路女性が主人公の物語。
シーンごとに異なるカラーや緩急がうまい。

他のユーザーの感想・評価

エイ

エイの感想・評価

-
わたしは最悪で最高だよね。
色んな要素が自分のツボを押さえていてとても好き!
onceuni

onceuniの感想・評価

-
最良を求めるあまり失敗しているように見える。ここじゃない何か、ないものねだりなのかもしれない。まだ自分は本気出してないと信じてやまない、諦めのつかなさはなんとなく分かる。共感はできるけれど、客観的にみると見ていられない痛々しさもある。ましてやそれが恋愛についてのことであったりもするから、勝手にすればいいとも思ってしまった
p

pの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

言うほど最悪ではなかった。
言っておいてほしい人に最高と言って/思っておいてもらえるの、目標。
わかったように上からものを言うアクセルの気持ちも、わかった口聞いてほしくないユリヤの気持ちもわかる。どちらかというとアクセル寄りで人を不快にさせがち。

メモ:
嫌いな人たちと踊るダンスもたのしい
見栄を張る
世界が止まって好きな人に会いに行ってまた戻って世界がはじまる
ナレーションで思ったことをそのまま口に出すの(これは思っているよりすごい)思っていることではないことを口に出すということもできるのに
写真は飽きなかったね

病院のベッドで並んで横になるを2視点から撮っていたのがよかった、2個目は横顔が並ぶように
EmiKimura

EmiKimuraの感想・評価

3.8
アクセルの実家めっちゃ素敵な家だった。

子どもが欲しい男性と子どもが欲しいと思ってない女性が一緒になったときに繰り広げられる主張がいつも女性にとって生々しくて苦しくなる。

全く知らないパーティーに平然とした顔で入って楽しむユリヤは可愛すぎた。

流されてそのまま生きる人が多い中、全部の選択肢において自分に確実に正直に生きるってすごいと思ったし、同時にそうやって生きるための苦しさも勇気も見せられた。

何でもかんでも手に入るわけなんかないんだから、あなたは何を選ぶんですか?と問いかけられる映画。
アートの中で生き続けたくない、アパートの中がいいってウディアレと一言一句同じこと言ってる
KaZ

KaZの感想・評価

3.7
他人の人生の一時期を断片的に覗き見してるような感覚。共感ってほどではないけど30歳迎えると色々考えるのはわかる。「何を待ってる?」って言われちゃうのツラいな。

章構成で見やすかった。画やカメラワーク、音楽も好み。特にエアドラムのシーン最高!
ヨアキム・トリアー監督のオスロ3部作。
『リプライズ』(2006年)と『オスロ、8月31日』(2011年)

おもしろい演出だった。
序盤のテンポがよく、徐々に緩やかになっていくのが、主人公の人生とリンクする。

邦題のタイトルがいまいちよくないように思う。
「愛してるけど、愛してもいない」

人生の転機は突然に訪れる。

就職、転職、結婚、家族、新たな出会い、妊娠、離別、

「これは自分が望んだ人生なのか?」
ん〜考え始めたら止まらないですよね、これ😑

『THE WORST PERSON IN THE WORLD』
『わたしは最悪。』

そう言って欲しかったのに元彼のアクセルは、最期に「君は最高だ」と。

個人的には、主人公が街を歩いたり、走ったりする何でもないシーンがなぜかわからないけどとても印象に残る作品でした。
猫目

猫目の感想・評価

3.8
自分を彩るものは自分が選んできた環境

どのエピソードも最悪で見ている方も恥ずかしくなる。
歳を重ねるとさらにそのエピソードが増えてくのもこれまた恥ずかしい

そんな時を一緒に過ごしてきたパートナーはいつの間にか自分より自分を知ってくれてる。分析してくれてる。
彼に言われた言葉を否定しておきながらも、他人には「自分はこういうタイプで〜」って紹介しちゃうユリア。こうやって嫌な自分像を作り上げちゃうのもあるあるですよね。

長い会話を交わす中で良いものをつなぎ合わせているのか、画面がブレたり人物が見切れたりするのも、自分もその中にいるような錯覚に陥った

アクセルがラジオ出演したのが何年頃なのかわからないのですが、有害な男らしさ発言に対してフェミニストさんが「男性の特権で弱い女性は笑えるのか」と食いつくところ、「アートは汚く自由であるべき」なんて表現の自由ってどこに行っても難しいんだなと思った。
こぼく

こぼくの感想・評価

3.3
イントロの画がマジで良い。あとchap2も最高だった。が全体で言うとあまり向いていない映画だった…
ユリアは選択しているというより目先の選択肢に受動的に飛びついているだけの様な気がしたし、どうも映画全体を通じて成長している様な気がしなかった。焦点がユリアにあたっているんだけど、彼女がのらりくらりしているだけの様に見えて、何がテーマなのか自分にはよく分からず…。何か言いたそうな映画なんだけど、理解追いつかなかったので、もし別の見方あれば知りたい

まあでもなんか自分が生真面目すぎるだけのような気もしました。ヨアヒム監督もこれが初だし、なんかよく分からないままに観てしまったな
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