Mak

コンパートメントNo.6のMakのレビュー・感想・評価

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)
3.4
フィンランド出身の女性が彼女と離れて1人旅を電車でするのだが、最初は笑顔もなく、彼女と離れて寂しいけど、同じコンパートメントのロシア男性と交流していく中で、自分を知り、ロシア男性との楽しい時間を楽しみ、最後は笑顔になる映画。

他のユーザーの感想・評価

ルル

ルルの感想・評価

1.9

このレビューはネタバレを含みます

男があそこまで主人公に執着するのが分からない(一目惚れだとあんな感じになるのか?)のと、初対面時があんなのでも男を受け入れていく主人公が自分には考えられなくて関心が薄れていった。第一印象が最悪から始まる恋みたいな10代の恋愛ものがして自分には合わなかった。途中で別の男をつれてきた主人公も、それで不機嫌になる男も幼くて好みでない。
ラストの手紙も、普通に愛してると書かれていて「私と話したくて知らないフリしてたんだ」な微笑みの方が自分の好み。自分が教えた言葉が書かれていたのも当たり前で面白くなく、それを言われなくても男を見てたら彼女に好意持ってるの分かるじゃん、と意地悪な見方をするぐらい自分には合わない作品だった。
Yumi88

Yumi88の感想・評価

3.6
自分で言った言葉って、自分に返ってくる。
最後にニヤッとした。
むっつり顔のラウラが 最後に最高の笑顔を見せてくれた!

吹雪の中、ほんのりと、しっかりと、伝わってくる暖かさ。
todo

todoの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

幸せは人間関係で決まると言いますが、
選り好みをせず色々な人と関わって、
自分自身が好ましい”雰囲気”を見つけていきたい、そう思える映画でした。

ラウラはイリーナに恋をしたのではなく、
イリーナが作る雰囲気の一部になりたかったと本人が語ってました。
ただ実はそこに息苦しさを感じていて、
“ここじゃない感”をなんとなく感じている。

1人で行くことになったムルマンスク、
そこで出会ったリョーハ。
リョーハはラウラが今まで自分が描いていた自分の雰囲気とは真逆をいく男。

ただなんだかんだ彼と時間を過ごす中で、
次第に恋に落ちていく。

この恋は、ラウラ自身が新たな経験や体験を通して、彼女自身の描く理想の雰囲気が鮮明になったが故に始まった恋だと思います。

こうやってみると恋に恋してるみたいにな感じですが、作中にあったセリフの様に、
“女性は強い、自分自身の中で自分の幸せを描いている、それに従いなさい”というセリフを踏まえると、ラウラ自身が新たな一歩を踏み出したとも言える思います。

ラストシーンでは連絡先を知らないままリョーハと別れますが、彼が残したメッセージ
”くそったれ”を読んで吹き出し、
前向きに人生を歩んでいく描写になります。
(フィンランド語、彼は愛してるという言葉と勘違いしている。ラウラが間違って教えた)

リョーハとの恋も進展しないかもしれないけど、それも糧にポジティブに進んでいく姿が、爽やかで気持ちが良かったです。

終盤までは陰鬱な雰囲気が漂う演出で、
ラウラの心情を本当に上手く表現しているなと感じました。
ラストシーン含めた光の使い方が感銘を受けました。
斎藤耕一監督の「約束」にいろいろ似てました。
「約束」はワケアリ女、岸惠子とお調子者のショーケンが列車で乗り合わせるお話で、たいへんな傑作です。
muninn

muninnの感想・評価

3.6
他者との出会いを通して内なる自分と対峙する。劇中の風景は極寒の雪景色がほとんどだが、それとは対照的に時間が経つにつれてラウラとリョーハとの関係はじんわりと熱を帯びていくような、そんな作品。
いの

いのの感想・評価

-

監督の前作品は、読書で例えるなら読後感が唯一無二。読書中に味わっている感覚と、読後に心に染み渡らせるときとの感覚の相違。凡庸だと思っていたらそれは大いなる勘違いでいつのまにか静かな良作へと昇格しているというような。それはうれしいこと。それはよろこばしいこと。オリマキ君はそんな作品だった。



今作もそうなるといいな。そうなったらうれしいな(まだそうなってない)。まるで自分が列車に乗って旅してるときと同じように私はウトウトしては時折目が覚めた。いつの間にか仲良くなっとるし、いつの間にか○○しちゃってるし、いつの間にか食堂行っちゃってるし、いつの間にか列車から降りちゃってたし。ペトログリフって何なんだ! でもウトウトしてたこと後悔してないし、また観てもそうなっちゃう気がする。いつもガラガラなのに何故か混んでた映画館。それはよろこばしいこと。頭の揺れ具合から前の座席の方もウトウトしてたことがわかる。更にその前の座席の方も同じく。もしかしたらそれもよろこばしいことなのかもしれない。偶然居合わせた観客と同じ体験を分け合うこと。それはこうやって記すことで出来事として心に刻まれる。
そば茶

そば茶の感想・評価

4.3
ベタな話かな?と思いながら観ていて、そういう一面もあるけど、全く想像を超えているところもいくつもあった。わかりやすいかと思えば、描かれていない余白もたくさんあり、すごくいいバランスで成り立っている映画だなと思った。

旅と人生は似ていると言われている場面もよくみるけれど、この映画はまさしくそういった内容だった。

苦しい時に観ると救われる人も多そうな映画。よかった。

最近忙しくて観たい映画はたくさんあるのに全然観れていなかったけど、改めて映画の楽しさを実感した。

どうでもいいけど、上映前のマスク着用などのコロナ対策の注意喚起動画がなくなっていて、コロナ禍でたくさん映画を観るようになった自分としては、ちょっぴり寂しい。
ウクライナ侵攻後の頭で見るとロシアのプロバガンダ映画?と思えてしまう(フィンランド人(ロシアへの憧れ、裏切り者)とロシア人(粗野だが情に厚い)の関係性のメタファー)。
Vocalise

Vocaliseの感想・評価

4.2
旅の出会いの顛末
これも一つの正解と
静かに込み上げてくるものがありました
「コンパートメントNo.6」の感想・評価を全て見る

Makさんが書いた他の作品のレビュー

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.3

本当に胸くそ悪い。見てる間はずっと不快。不快じゃないときが全くない。
そんな映画は初めて。
ストーリーはとにかく考えさせられる。こういうことを思ってる人は少なくないんだなと。変化している今に対して不満
>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

2.9

かなりexperimentalな内容だと思う。
動物愛護と自然破壊をロバのEOの目線から描いた作品。
確かにこの作品の中で動物達を酷い目にあわせるのは全部人間。
サーカスでカサンドラと幸せに暮らしてた
>>続きを読む

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

2.7

演技力ある役者のレア・セドゥとメルビル・プポーの共演は本当に嬉しい!
2人のパートは恋愛というフランス映画独特の描き方は楽しめる。
最後はふわっとさせたストーリーの終わり方でタイトル(邦題)には繋がっ
>>続きを読む

若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

4.0

ウォン・カーウァイの世界感が全編に漂っている素晴らしい映画。
仕立て屋と高級娼婦の切ることが出来ないリレーションシップ。
手から始まり、手で終わる2人にしか理解することが出来ない関係。
映像、音楽、雨
>>続きを読む

Coldplay Music Of The Spheres: Live at River Plate(2023年製作の映画)

5.0

偉大で世界的BigなバンドColdplayのブエノスアイレスで去年行われたMusic Of The Spheres: Live at River Plate。
なんといっても素晴らしい!
最高のライブ
>>続きを読む